甲子園から帰って参りました。ラガーさんです。
今年のセンバツは甲子園練習から通い詰めたので20日間も家を空けました。ずっと野宿だったから、家の布団で寝られるありがたみをしみじみ感じています。でも、センバツ期間中は毎朝4時起きだったので、東京に戻っても勝手に4時に目が覚めちゃいます。時差ボケならぬ、「甲子園ボケ」のラガーさんです。
それにしても、敦賀気比の2打席連続満塁男、決勝でもホームランを打った松本哲幣選手は、私だけじゃなく、観戦仲間もみんなノーマーク。甲子園練習でもほとんど目立っていませんでした。あんな選手が隠れてたんだねぇ。これぞ高校野球の面白さだと思います。
早速、ラガーさん的大会ベスト9を大発表したいと思います。有名な選手よりも、バックネット裏から見た印象や雰囲気、あとは甲子園練習でのチェックも含めたこだわりのラインナップです。
投手/森奎真(豊橋工)
上背があって角度のあるボールが魅力です。まだまだ伸びしろはあると思います。
捕手/米田圭佑(松山東)
ガタイが良くて、ホームランも打ちました。ラガーさんはスケールの大きな選手が好みです。
一塁手/坂口漠弥(天理)
実は彼、甲子園練習では今ひとつの調子でした。でも本番ではホームラン。その調整力はさすがです。
二塁手/大石智貴(静岡)
1回戦で見せたファインプレーが忘れられません。つなぎ役になれるのもラガーさん好みです。
三塁手/佐藤将太(仙台育英)
試合ではあまり打てませんでしたけど、元気とガッツがありました。
遊撃手/檜村篤史(木更津総合)
1年生の時から活躍してましたけど、長打も打てるようになりました。巨人の坂本勇人タイプだと思います。
左翼手/松本哲幣(敦賀気比)
準決・決勝戦で3本塁打10打点。こんなの見たことありません! ラッキーボーイの重要性を改めて感じました。
ラガーさん的ベスト9、かなり意外な顔ぶれだったんじゃないでしょうか。有名選手の名前ばっかりを出したらつまらないですから。じゃあ、ドラフト注目選手はどんな印象だったのかもお伝えしたいと思います。
■高橋純平(県岐阜商)
前評判通り、上背もあってスゴイ球を投げていました。噂の150キロも見せてくれて、今の高校生世代の中では頭ひとつ抜けた存在だと思います。身長じゃないですよ! でも、当たり前すぎる存在なので、ベスト9からはあえて外しました。
■平沼翔太(敦賀気比)
皆さんご存じ、今大会の優勝投手です。1回戦から5試合、一人で投げ抜いたのは立派だと思います。大きく崩れることもありませんでした。でも、ラガーさん的な評価では、彼は投手としてよりも打者の方が光るものがあると思います。
■佐藤世那(仙台育英)
優勝した敦賀気比相手に1点差で負けちゃいました。投球自体はすごく良かったと思います。それよりも、観戦仲間に聞いたら佐藤君の弟(佐藤令央)がこの春、仙台育英に入学するらしいですね。去年夏の全国中学校軟式野球大会の優勝メンバーだそうで、いい球を投げるみたいです。夏は兄弟リレーが見れたら最高だね。
◎ラガーさん的ベストバウト
■龍谷大平安 vs浦和学院(1回戦)
1回戦で去年のセンバツ覇者と、2年前のセンバツ覇者が対戦。緊張感のある投手戦になりました。延長戦での浦和学院の勝利はしびれました〜。でも、龍谷大平安の高橋奎二投手はもうちょっと見ておきたかったね。
■松山東 vs 東海大四(2回戦)
これまた両投手がピリッとした投手戦を演じました。松山東が先制して、その後は両チームゼロ行進。このまま行くかなぁ、と思ったら8回裏に東海大四が逆転! 逆転ゲームは甲子園がざわめきます。あの雰囲気も好きなんです。
■東海大四 vs 敦賀気比(決勝戦)
決勝戦って意外と締まらない試合が多いんですけど、今大会はいい試合でした。『野球太郎』の持木編集長が東海大四OBということで密かに応援していたんだけど、7回、8回のチャンスを生かせなかったのが痛かったね。それにしても、東海大四は頭を使った野球をしますね。東海大系列の中では、意外な気がしています。
今回は、センバツ甲子園で気になった選手や試合を振り返りました。でも実は、この春、いろんな事件があったんです。そんな「ラガーさんセンバツ甲子園事件簿」は、来週改めてご報告したいと思います。大会は終わりましたけども、来週もどうぞよろしくお願いします!
■ラガーさん・プロフィール
本名、善養寺隆一(ぜんようじ・りゅういち)。左投左打。1999年から、春のセンバツ、夏の選手権大会全試合を甲子園のバックネット裏最前列で観戦している。ネット裏で観戦する約100名のファンでなる「甲子園8号門クラブ」に所属している。黄色い帽子とラガーシャツがトレードマーク。夢は母校の都立文京高校を甲子園で応援すること。
(構成=オグマナオト)