オフの間に発表される12球団のスローガン(キャッチフレーズ)。どれも短い言葉ではあるが、この大号令の下におおまかなチーム方針やプレースタイルが方向づけられるため、ファンにとっても見逃せないポイントだ。
そんな各球団の思いが詰まった今季の全スローガンを、まとめてみよう。
■日本ハム
F-AMBITIOUS(ファンビシャス)
<1月16日発表>
■ソフトバンク
1(ワン)ダホー!
<12月20日発表>
■ロッテ
翔破 〜限界を超えろ!〜
<1月1日発表>
■西武
CATCH the ALL つかみ獲れ!
<12月26日発表>
■楽天
Smart & Spirit 2017 東北・夢・再び
<1月21日発表>
■オリックス
野球まみれ 一勝懸命2017
<1月8日発表>
連覇を目指す日本ハムのスローガン「F-AMBITIOUS(ファンビシャス)」は、本拠地・北海道の象徴でもあるクラーク博士の明言「Boys, be ambitious(少年よ、大志を抱け)」のオマージュ。頭の「F」は「ファイターズ」と「ファン」の頭文字で、チームとファンがひとつになって戦うという思いも込められている。
一昨年、昨年と「熱男」関連のキャッチフレーズが好評だったソフトバンク。今季は「1(ワン)ダホー!」に一新されたが、それにともなって松田宣浩の絶叫も「ワンダホー!」となる模様。マッチの雄叫びが多く聞かれるようなら、V奪回は近い!?
ロッテは、2013年に伊東勤監督が就任して以降ずっと「翔破シリーズ」。楽天も2008年から10年連続で「Smart & Spiritシリーズ」を採用している。
西武は、辻発彦新監督となってどんなチームとなるか興味深い。「CATCH the ALL つかみ獲れ!」の「つかみ獲れ!」には、昨季、守乱に泣いたチームが、ボールをしっかりキャッチできるようにという辻監督の熱意も表れているのかも。
オリックスは、昨年の「俺のオリックス」から一転、泥臭さを全面に出したキャッチフレーズ「野球まみれ 一勝懸命2017」に。2年連続Bクラスからなんとしても脱出したいという球団の切なる思いが言葉ににじみ出ている。
■広島
カ舞吼!−Kabuku−
<11月23日発表>
■巨人
新化 〜GIANTS PRIDE 2017〜
<1月1日発表>
■DeNA
THIS IS MY ERA.
<1月4日発表>
■阪神
挑む Tigers Change
<11月19日発表>
■ヤクルト
目を覚ませ! SNAP OUT OF IT 2017
<1月19日発表>
■中日
原点回帰〜ゼロからのスタート〜
<12月13日発表>
昨季のリーグ覇者・広島のスローガンは「カ舞吼!−Kabuku−」。2015年の「常昇魂」、2016年の「真赤激」に続いて今年も3文字を強調した形となった。「カ舞吼!」は「傾奇く(かぶく)」ということで、優勝に浮かれることなく、カープらしい個性的な野球で攻めていこうという熱いメッセージが込められている。
巨人は「新化 〜GIANTS PRIDE 2017〜」。漢字2文字に英語を組み合わせる近年の伝統的パターンとなった。こちらは高橋由伸監督のスマートなイメージが出ている。
DeNAは「THIS IS MY ERA.」。2013年から2015年までは漢字一文字というシンプルなスローガンで臨んでいたが、ラミレス体制となった昨年から英文が定番化した。ちなみに「ERA」は時代という意味。なお、DeNAはチームだけでなく、筒香嘉智が「VAMOS A SEGUIR ADELANTE!」、山崎康晃は「TAKE PRIDE IN YOUR WORK」といったふうに、各選手にもパーソナルスローガンが設定されている。
2016年は金本智憲新監督就任に合わせた「超変革」のスローガンが大きな話題となった阪神。今年は、そこからさらに進めた形の「挑む Tigers Change」となった。ただ、サブキャッチを「Tigers Change」としており、今年もチーム変革は続行される模様。
そして、ヤクルトは「目を覚ませ! SNAP OUT OF IT 2017」、中日は「原点回帰〜ゼロからのスタート〜」と、ともに下位からの巻き返しを目指すチームの危機感が見て取れる。
文=藤山剣(ふじやま・けん)