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あの球団マーク、キャラクターは誰がデザインしたのか?

東京オリンピックのエンブレム問題をキッカケに、あのマークやロゴって、誰が作ったの? という視点を持つ人が増えている。では、プロ野球各チームの球団ロゴやペットマークは誰がデザインしたのか? 代表的なものを見ていこう。



歴史ある球団の人気マーク(1)


プロ野球を代表する「マーク」といえば、阪神タイガースの虎マークを思い浮かべる人は多いはずだ。この虎マーク、実は球団創設初年度(1935年)に発行された球団ポスターにも描かれた、まさに球団史とともに歩んできた阪神の財産だ。
デザインしたのは当時、阪神電鉄のデザイン室にいた早川源一。そしてこの「虎」のアイデアを出したのは球団黎明期のエース、若林正志だといわれている。

歴史ある球団の人気マーク(2)


近年のカープ人気を受け、年々注目度を高めているのが広島カープのペットマーク「カープ坊や」だ。

デザインしたのはイラストレーターのガリバー岡崎で、初登場は1975年だった。この1975年という年はカープにとっては非常に大きな意味を持つ。史上初の外国人監督、ルーツによるさまざまな改革が断行され、その一環として「燃える色」である赤がチームカラーに。ルーツ監督自身は開幕早々に退団してしまうが、その後を受けた古葉監督率いる「赤ヘル軍団」が、球団初のリーグ優勝を成し遂げたのだ。

そんなメモリヤルイヤーに誕生したからこそ、カープ坊やは現在に至るまでカープファンの拠り所になっているのではないだろうか。

新興球団のデザインマネジメント(1)


近年の球団ロゴマークでは、個人の作家性以上に、大手広告会社による綿密なデザイン戦略が求められるケースが増えている。

2004年に誕生した東北楽天ゴールデンイーグルスでは、ロゴや球団旗、ユニフォームデザインなどを、わずか2ヶ月間で一気に仕上げなければならなかった。

この難題に挑戦したのが、企業のブランディングを得意とする広告会社、デグリップ・コーベ社(現・ブランドイメージ社)。楽天の場合、三木谷オーナーの決裁を受けなければならないが、忙しいオーナーに会える時間もごくわずか。最初の会合では挨拶もほとんどせず、「早速ですが……」といきなり会議が始まる忙しさだったという。

新興球団のデザインマネジメント(2)


2004年、近鉄とオリックスによる球団合併で誕生したオリックス・バファローズ。ただ、「合併」といっても基本的には「吸収合併」。当初はユニフォームやマスコットなど、オリックス由来のものが採用されていた。

この流れを変えたのが2011年。ユニフォームからマスコット、マークまで一新し、全く新しいオリックス・バファローズに生まれ変わったのだ。デザインを担当したのはデザイン事務所GWG。「Bs」ロゴマークの「B」の字体には猛牛の角に見立てたデザイン処理がなされるなど、近鉄のエッセンスを継承することにも成功している。

この球団イメージ改革以降、バファローベルの人気やオリジナリティあふれる限定ユニフォームなど、デザイン面で話題性を提供することが多くなったオリックス。その成果か、観客動員の伸び率はパ・リーグ随一を誇っている。


チームを強く、より魅力的に表現するために、デザインのパワーは計り知れない。今回取り上げた球団以外でも、著名なデザイナーや作家が関わっているケースが多い。ぜひ、贔屓球団のデザインがどうでき上がったのかにも興味を持ってみてはいかがだろうか。
(参考文献『日本プロ野球ユニフォーム大図鑑』『これ、誰がデザインしたの?』)


(文=オグマナオト)

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