まず、今回飲んだストロングゼロは以下の11本。「ドライ」「ダブルレモン」「ダブルグレープフルーツ」「ビターレモン」「ビターオレンジ」「桃ダブル」「ダブルシークワーサー」(ここまでは通常ラインナップ)、「まるごと白ぶどう」「まるごとアセロラ」「柚子ダブル」(期間限定商品)、「しょっぱい梅干し」(コンビニ限定)。このほかにも期間限定の「まるごと青りんご」や、「葡萄ダブル」などがあるようだ。
飲んだ印象からストロングゼロ・ベストナインはこのような人選……、いや缶選となった。
1(左翼):まるごとアセロラ
2(二塁):ダブルグレープフルーツ
3(右翼):ビターオレンジ
4(遊撃):ダブルレモン
5(一塁):ダブルシークワーサー
6(中堅):桃ダブル
7(三塁):柚子ダブル
8(捕手):まるごと白ぶどう
9(投手):しょっぱい梅干し
控え投手:ドライ
(※ポジションについては、深い考えはないので割愛します……)
1番は「まるごとアセロラ」。最もジュース感があり、どんどん飲める。一晩に3缶飲んだ3缶目だったが、あっという間になくなってしまった。そんなスピード感は先頭打者に最適だ。
2番には「ダブルグレープフルーツ」を置く。個人的嗜好としてグレープフルーツはあまり好きではないが、グレープフルーツの独特の後味があり、果汁4%は今回飲んだ中で最も高い。いい意味で、しつこく粘れる感じは2番打者に適任だろう。
3番は「ビターオレンジ」。居酒屋でありそうなオレンジサワー系は甘さが食事と合わせにくい印象を持つが、これは「オレンジを主張しつつオレンジ感が邪魔しない」という素晴らしいバランス。「僕も打ちますけど、松井さん(秀喜/元巨人ほか)も引き立てます」という全盛期の高橋由伸(元巨人)を彷彿とさせる。
4番を任せるのは「ダブルレモン」、チューハイの王道だ。前述の通り、「ビターレモン」もあるが、正直なところ、そこまで差を感じられなかった。オレンジとは逆で「ビター」にしたことで、レモン感が薄まってもったいない。それならば、よりレモンという個性を主張する「ダブルレモン」をスタメンにしたい。
余談だが、レモン・檸檬といえば梶井基次郎。酒を飲んでは酒に飲まれ、心に不吉な塊を宿す「私」は見すぼらしくも美しいものに惹かれ、その1つが八百屋に出ていた檸檬……と物語は進んでいく。もし、当時にストロングゼロがあったら、どうだろう。お手頃価格で簡単に酔える、美しいストロングゼロを愛飲しているに違いない。それに、不吉な塊こそストロングゼロに合う「至高の逸品」。檸檬に出会う前に、またストロングゼロを買ってしまい、積んだ本の上に据える。こんなストーリーになったかもしれない。
いや、丸善の前に「私」の人生が粉葉みじんになってしまうか……。
5番は「ダブルシークワーサー」。表現を恐れずに言うと「ごく一般的なシークワーサーで少しアルコール強め」という感じ。いい意味で安心して飲める。ちなみに、今回の11本の中では、唯一原材料に泡盛が入っている。
6番、7番、8番は横並び的に一緒に紹介したい。6番から「桃ダブル」、「柚子ダブル」、「まるごと白ぶどう」と続く。このあたりは1番打者の「まるごとアセロラ」と同じ、「アルコール感が多少あるジュース」という仲間たちだ。疲れた心身に気持ちいい甘さでグビグビいけ、飲み応えもあり、スッと眠りに落ちる……ストロングゼロの世界にハマっていく人々の動きが浮かんでくる。
実は下位打線に潜んでいるキレイなバラ、甘い顔をしたようなヤツらのほうが危なかった。
9番は投手の「しょっぱい梅干し」。ネーミングの通りで、「梅酒」ではなく「梅」のしょっぱさが舌から体内に伸びていく。梅のエキスを飲んでいる感覚で、疲労回復に利くクエン酸も摂取できるはず。疲れにくい投手としてガンガン投げていってほしい。
最後に残った「ドライ」には抑えを務めてもらいたい。この11本で一番「悪いヤツ」であるのは間違いない。それぞれ、果汁でアルコール9%をうまくごまかしているが、こいつはド直球で「9%」を振りかざし、名状しがたきバールのようなもので、頭をガンガン殴ってくる感じ。近年の選手でいえば、打てないのはわかっているのに、フルパワーで抑えてくるサファテ(ソフトバンク)のように。
誰を何番にしても、「ヤバいヤツら」ばかりが並んだストロングゼロ打線。最後に、ストロングゼロで検索すると1つ気になる項目があった。
ストロングゼロ×大根おろし(+αで塩)は、おいしい!
……と目にして、実際に飲んだ。分量に誤りがあったのかもしれないが、「ドライ」、「ダブルレモン」、「ダブルグレープフルーツ」で試したものの、どんな化学反応があって、おいしさアップ! と感じるのか、よくわからなかった……。噂通りだった際は、「ストロング系、最強のドーピングや!」「コルク入りバットの使用許可出た!」といったフレーズも考えていたが、これらはお蔵入り。成功の秘訣があれば、ぜひお聞きしたい。