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浅井良、上本博紀、西岡剛……。阪神の“野手の交錯”があまりに多すぎる!



 6月26日の阪神対広島(マツダスタジアム)の試合は衝撃的な幕切れだった。9回裏、3対3、2死満塁の場面で広島・松山竜平の放った打球は左中間へのフライ。延長戦にもつれ込むかに思われたが、打球を追った左翼手・俊介と中堅手・中谷将大が激突。打球はグラウンドに落ち、広島がサヨナラ勝ちを収めた。

 大激突の俊介はその場から動くことができずに担架で退場。診断の結果、右膝打撲と判明したが、アクシデント直後は脳しんとうを起こした様子で、まさに事故レベルの惨事だった。

 選手同士の交錯は極めて危険。大柄のアスリート同士が全速力で不意にぶつかるため、取り返しのつかない大ケガに発展するケースも珍しくない。

 近年の“野手の交錯”での大ケガを振り返ってみると、実は阪神で頻発していることがわかった。大きな原因は不明だが、近年の阪神の激突をまとめてみた。


浅井良・平野恵一(2012年)


 2012年6月7日のロッテ戦(QVC)、9回1死二塁の場面で右翼手・浅井良と二塁手・平野恵一が浅いフライを追って激突。平野が捕球したものの、下敷きとなった浅井は右肩を強打し、担架、救急車で搬送された。このときは無事、異常なしの診断。


上本博紀・伊藤隼太(2013年)


 2013年2月26日、WBC日本代表との強化試合(京セラドーム)で高いフライを追って遊撃手・上本博紀と左翼手・伊藤隼太が正面衝突。上本は右目付近の裂傷と左足首前距腓靱帯の損傷で、6月には手術を余儀なくされた。


西岡剛・福留孝介(2014年)


 2014年3月30日の巨人戦(東京ドーム)、2回裏、大竹寛の浅いフライ追った二塁手・西岡が右翼手・福留孝介と激突。後頭部を強打し、グラウンドに救急車が入る緊急事態となった。

 この激突で西岡は鼻骨骨折、胸部打撲、左肩鎖関節脱臼、左右肋骨骨折などの重症を負い、福留は鎖骨骨折、肺挫傷を隠しながら試合に出場し続けた。


田上健一・伊藤隼太(2014年)


 2014年10月21日、フェニックスリーグでの韓国・斗山ベアーズ戦(アイビースタジアム)で落下点に入った右翼手・伊藤隼太に対して、中堅手・田上健一が突っ込んで激突。田上は救急搬送され、頸椎ねんざと診断された。


★野手同士の連係は大丈夫か……?

 今季、阪神では内野手のお見合いも頻発している。5月28日の巨人戦(東京ドーム)では、投手・高橋聡文と一塁手・ゴメスが軽い交錯。内野のフライノック特訓なども行っているが、危なっかしさは2013から2014年の事故ラッシュ時と変わっていないように見える。

 過去には吉村禎章(元巨人)のように選手生命に関わる大事故になったこともある野手の交錯。グラウンドに救急車が入る惨状はもう見たくない。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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