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北陸勢でも初! 敦賀気比センバツ優勝までの北陸の高校野球史を総まとめ!

 北陸新幹線の開通に沸く北陸にもう1つ、嬉しいニュースが届いた。敦賀気比がセンバツで優勝を成し遂げた。福井勢として、そして北陸勢としても春夏を通じて初めての栄冠だった。

近年の活躍が目覚ましい北陸勢


 最近の高校野球において、北陸勢の活躍が目覚ましい。昨年の夏は長野、新潟を加えた北信越代表5校すべてが初戦を突破から9連勝。そして、敦賀気比と日本文理がベスト4に進んだ。日本文理は6年前の夏、中京大中京と決勝戦を戦って、9回表に5点を返して1点差に迫った大熱戦が記憶に新しい。

過去の北陸勢の健闘


 北陸勢と言えば、星稜がこれまでの代表格だ。2年生エースの小松辰雄(元中日)を擁し、1976年夏にベスト4。3年生となった翌年は1回戦屈指の好カードとなった智辯学園戦で、山口哲治(元近鉄ほか)に惜しくも投げ負けたものの、印象に残る投球だった。また、1979年夏の箕島との延長18回の熱戦は、甲子園史上最高の試合と言われることも多い名勝負だった。

▲長年、星稜を率い、福井商の北野尚文監督とともに北陸の高校野球を牽引してきた山下智茂元監督

 その後、松井秀喜(元巨人ほか)の活躍や、多くのプロ野球選手を輩出していることもあり、強豪校の地位を獲得している。甲子園での最高成績は、1995年夏。山本省吾(元近鉄ほか)を擁して準優勝を果たしている。ちなみに、この年は敦賀気比がベスト4に初めて勝ち進んでいる。

 富山では、一昨年に富山第一が、昨年は富山商が夏の甲子園にて2年連続で2勝を挙げている。近年に活躍においては、熱心な若手指導者の存在や、バルセロナ五輪の野球日本代表監督などを歴任した山中正竹氏をアドバイザーとして招聘し、強化を続けたことが実を結んだ。ただ、センバツの活躍は多くはない。1986年に新湊が、愛知の強豪・享栄を破るなどベスト4に。大応援団を繰り出し「新湊旋風」と一世を風靡した。

福井の強豪校の甲子園を振り返る


 今回のセンバツで優勝した敦賀気比。過去には春夏11回の出場でベスト4が3回、ベスト8が2回という結果を残している。今大会の結果を加えると春が12勝5敗、夏が11勝6敗となり、通算勝利数23勝は、北陸勢としては福井商(33勝39敗)、星稜(24勝28敗)に次ぐ高校となった。

 甲子園通算33勝は、北陸ではトップの勝利数であり、これまで北陸の高校野球を牽引してきたといっても過言ではない福井商。春17回、夏22回の出場で、1978年のセンバツで準優勝を果たしている。これまで、センバツの決勝に進出した北陸勢はこの一度だけだった。

 この1978年のセンバツでは、1回戦で前橋の松本稔が比叡山を相手に春夏通じて初の完全試合を達成していた。その前橋と2回戦で対戦したのが福井商だった。好投手をどうやって攻略するか注目されたところ、福井商打線が爆発。17安打を浴びせ、14−0で松本を打ち崩した。この勢いで後に“カープの炎のストッパー”となる津田恒美の南陽工、前年度優勝校の箕島を撃破。箕島は翌年、春夏連覇をする全盛期だった。

 しかし、福井商は決勝戦で浜松商に惜敗。今回の敦賀気比の優勝は、福井県民にとって、待ちに待った勝利だったといえるだろう。


 今センバツの決勝戦は北陸の敦賀気比と北海道の東海大四という対戦だった。過去に北海道では、駒大苫小牧の夏連覇の偉業もあったが、両地域とも雪深い寒冷地で、特に春は野球をするにはハンディを背負っていると言われてきた。しかし、移動手段が便利になり、練習法の工夫、情報網の発達もあり、地域差はなくなってきていることを今回、見事に実証した。

 そして敦賀気比は、福井県勢としてだけでなく、北陸勢にとって初めての「甲子園春夏連覇」に挑む。

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