子どもを野球好きにさせるには? 子どもを将来野球選手にしたい! しかし、そんな親の思惑を、よくも悪くもことごとく裏切る子どもたち。野球と子育てについて考える「野球育児」コーナーが帰ってきました!
そして、2015年3月に『野球太郎【育児】1』の発売が決定! 子どもが野球選手になってほしいという方だけではなく、運動を苦手にしてほしくない、目新しい育児の本を探している方にもオススメです。唯一無二の「野球育児本」をよろしくお願いします!
●それ、ほんとに決まってるの……?
選手と硬式クラブと高校間で話が進み、いわゆる野球界でいうところの「進路先が決まった」という状態になっても、企業のように内定通知のような書面が発行されるわけではない。
(少なくとも私はそのような書面は見たことがない)。
そのため、中学校側(特に担任)が
「決まった? でも、試験に通ってないじゃない」
「決まった確証がどこにあるの?」
「そんなおいしい話ある? 騙されてない?」
「あなたのこんなひどい成績で試験が大丈夫なんて思えない」
といった反応を示すケースも少なくない。
しかし、担任に「確証は?」と言われても、実際に形に残っているものは何もなく、選手側は「口約束ですが」としか言えなかったりする。
中には「過去にそうやって決まったって言ってたけど、結局、直前になって話がなかったことになったケースが何度もあるのよ!」といった実例を挙げてくる先生もいるらしく、選手側のほうがいつしか不安になってしまうケースもあると聞く。
そのため、高校サイドが比較的早い段階で、中学校に連絡を入れ、実際に学校まで赴いてくれると学校側の疑念と選手サイドの不安は相当解消される。
●我が家の次男の場合
我が家の息子2人は2学年違い。長男の高校の進路が私立高校に決まった時点で「さすがに下は公立にいってもらわんと家庭の財政的にきつすぎるな……」というのが私と妻の偽らざる気持ちだった。
しかし、上が私立に行ったから、下はダメというのも、次男にすればやるせない話。親の心情としてはなんとかしてやりたいが、現実的に考えれば、やはり厳しい。妻は早い段階で「かわいそうな話になるけど、あんたは公立しか無理よ」と伝えていたようだった。
中学では硬式クラブではなく、部活の軟式野球を選択した次男。中学2年生になる直前の時期に気持ちを確かめるべく、「高校、どう考えてるんだ? おまえの正直な気持ちで言ってみろ」と尋ねてみた。
次男の答えは「甲子園が真剣に狙えるようなレベルの高いところでやりたい。そのためなら家を出て寮生活をしてもいい。大学でも野球がやりたい」というものだった。兄よりも野球に対する志が高い点が不憫さを増幅させた。
そんな中、当時中学2年の次男に興味を持ったという関東の高校が現れた。2年の終わりごろには正式に「うちに来てもらえませんか?」という連絡が入り、「お願いします」と返事すれば、野球進路界でいうところの「進路が決まる」という状況になっていた。