≪夏の甲子園≫吠えまくる藤嶋健人(東邦)は中日!? この夏光ったアイツにオススメのプロ球団は!?
今年も熱き魂がこもった戦いが数多見られた夏の甲子園。彼らの熱いプレーを見て、「この選手がウチのチームにいれば……」と想いを膨らませたプロ野球ファンも多いだろう。
そんな夢想に筆者も飛び入り参加。この夏の聖地を沸かせた有望球児にオススメの球団を考えてみた!
藤嶋健人(東邦 / 愛知)
≪この球団で見たい!≫ 中日
今大会、気合ナンバーワンは藤嶋だろう。4番でエースとして乗り込んだ最後の夏、初戦から本塁打1本、三塁打1本、二塁打2本で6打点を稼ぐと、2回戦でも2安打2打点。
投打ともに注目しているスカウトが多いが、はっきりいって投手だろうが野手だろうが関係ない。藤嶋はとにかく吠えまくる。天性の明るさ、天性の気合を持つ、天性のムードメーカーだ。
地元・愛知の中日では谷繁元信監督の休養など暗い話題が続いている。その空気を一変させられるのは藤嶋しかいないだろう。料理にたとえるならば、藤嶋は『味覇』『創味シャンタンDX』。薄味のチームをすぐに変えることができる圧倒的な存在だ。
大石哲汰(沖縄・嘉手納)
≪この球団で見たい!≫ ロッテ、ソフトバンク
「ぽっちゃりスラッガー」として『熱闘甲子園』で紹介され、大人気となった嘉手納のキャプテン・大石哲汰。170センチ96キロの巨体だが、それ以上にオーラが衝撃的だった。
筆者は前橋育英(群馬)を撃破した初戦を生観戦したが、大石は「やってやるぞ!」という気迫、キャプテンシーを全身から放出しまくっていたのだ。それも「静かな闘志」。この雰囲気が出せる高校球児は正真正銘「10年に1人」のレベルだろう。
「琉球の李大浩」と呼ばれる大石。まだまだ粗さはあるが、ぜひプロでじっくり育ててほしい逸材だ。同じく巨体の井上晴哉を含め、一塁手の高齢化の進むロッテはどうだろうか。沖縄出身選手の活躍も目立っている。
またソフトバンクでも自慢のフルスイングが伸びそう。キャラクターも含め、各球団の英断に期待。
石原彪(京都・京都翔英)
≪この球団で見たい!≫ 西武
ポッチャリ具合では京都翔英の石原も負けてはいない。169センチ87キロ、さらにポジションは捕手。当然ながら「京都のドカベン」と呼ばれている。
重量級だが、50メートルを6秒で駆け抜け、二塁送球は1.8秒台という爆発的な身体能力を持つ、ラガーマンタイプ。甲子園では初戦で涙を飲んだものの、2本の二塁打を放ち存在感を示した。
「右の森友哉」とも言われる高校通算48本のパンチ力。おかわりも大好き……、となれば西武しかないだろう。石原からはどこかパ・リーグの匂いがする。セ・リーグでは持て余すに違いないゴツゴツとした昭和臭。プロ志望を明言しているが、果たしてどこが獲得するのか、今からワクワクが止まらない。
アドゥワ誠(愛媛・松山聖陵)
≪この球団で見たい!≫ ソフトバンク
「高校ビッグ3」とは呼ばれなかったものの、スカウトや高校野球ファンの間ですこぶる評判のよいアドゥワ。ナイジェリア人の父と元バレーボール選手の母から受け継いだ196センチの身長で投げ下ろすボールは「天性」と評される。
甲子園では初戦で187球の熱投の末に敗れたが、そのポテンシャルは存分に見せつけた。
しかし、12安打を打たれるなど、まだまだ物足りないのも事実。あの恵まれた体を見ると最速145キロでは満足できない歯がゆさがある。
「こんなもんじゃない」と叫びたくなるほどの素材。ダイヤモンド級。育成力のある球団に入ってほしいという思いから、最も適しているのはソフトバンクと見た。
ソフトバンクには佐藤義則投手コーチがいる。ダルビッシュ有(レンジャーズ)や田中将大(ヤンキース)をはじめ、投手の長所を伸ばしまくる名伯楽。現在は1軍投手コーチだが、早い段階から指導を受けるチャンスが巡ってくるはず。ぜひともアドゥワ×佐藤義則コーチの化学反応が見たい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)
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