攝津は26歳の時、ドラフト5位指名でホークスに入団。
ルーキーイヤーの2009年からセットアッパーとして70試合に登板し、最優秀中継ぎ投手と新人王を獲得。2年目も71試合に登板しリーグ優勝に大きく貢献した。
そして3年目の2011年に先発転向して14勝。翌2012年から開幕投手を務めている。
過去4年間の“開幕投手・攝津”の成績は3勝1敗。昨年は敗戦投手になったとはいえ8回を2失点で自責点は0。毎年開幕に照準を合わせしっかり結果を残している。
侍ジャパンにも選出された武田翔太や昨シーズン9勝0敗のリック・バンデンハークら他にも開幕投手候補もいたが、「投の柱は攝津」という工藤公康監督の考えもあるのだろう。打の中心を担う内川聖一とともに、昨年同様開幕戦で「4番内川」「ピッチャー攝津」コールが球場で流れそうだ。
2000年以降同一球団で5年連続開幕投手を務めたのは全部で9人。そのうち上原浩治ら6人はメジャーリーグへ。成瀬善久と涌井秀章はFAで移籍。今でも同一球団に所属しているのは石川雅規(ヤクルト)のみである。
昨年FAを取得し、秋田出身ということもあり「ひょっとして楽天にFAするかも?」と思ったが、本人は全くその気がなかったようで複数年契約を結んだ。
過去の連続開幕投手記録は、山田久志(元阪急)の12年連続。33歳の攝津がその記録に追いつく時ころには40歳!
「さすがにそこまでは?」と思いながら飄々と投げる攝津の姿を思い浮かべると、ひょっとしてできちゃうかもと期待したくもなる。
ちなみに攝津は昨年まで5年連続2ケタ勝利を記録中。
現監督の工藤公康は1991〜1995年まで2ケタ勝利を記録したものの、1996年は8勝どまり。今年からホークスに復帰した和田毅も5年連続が最多である。
ホークスで6年以上2ケタ勝利を記録しているのは、山内孝徳の7年(1982〜1988年)が最後。こちらは現実味が高そうだ。
優勝して当たり前という空気が漂う今年のソフトバンクであるが、何が起こるかわからないのがペナントレース。
ファンを安心させ、他の球団に「やっぱりホークス強いな」と思わせるためにも、開幕投手・攝津の好投に期待したい。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。ライター、イベント関連など、スポーツ関連の仕事を精力的にこなしている。北海道生まれなのに、ホークスファン歴約40年で、1999年ダイエー初Vも福岡ドームで観戦。今年の観戦初戦は3月29日のホーム開幕戦。来場プレゼントのチャンピオンリングがもらえるのを楽しみにしている