ストーブリーグの目玉であるFA。今年もFAの季節がやってきた。
1995年に川邉忠義が河野博文のFA人的補償で巨人から日本ハムに移籍して以来、これまでに24人がFA人的補償で移籍している。チーム内の年俸10位以上の選手をFAで獲得する場合、引き抜かれた側の球団はプロテクトされた28人以外の選手のなかから人的補償を求めることができる。
近年は特に人的補償で有望株を獲得する機運が高まっており、今年も注目されるだろう。
連載企画『if……。大胆予想! あのFA移籍の人的補償は誰になる?』では、今年、もしあの大物選手がFA移籍すれば人的補償は誰になるのか。大胆に予想してみたい。まずは争奪戦になりそうな浅村栄斗(西武)から!
残留の匂いもしてきた浅村だが、移籍先として名前が挙がっているのは巨人、阪神、ソフトバンク、オリックスだ。ただ、西武の場合、ドラフト2位で二塁手の山野辺翔(三菱自動車岡崎)を獲得しており、若手有望野手も多い。また菊池雄星のメジャー挑戦がほぼ確実という状況を見ると、人的補償で狙ってくるのは投手だろう。
巨人の場合、西武は内心大喜びだ(もちろん残留が一番だが…)。今季の1軍での登板数を考えたとき、当落線上でプロテクトから漏れそうなのは戸根千明、大竹寛あたり。特に戸根は1年目の2015年に46登板、2年目に42登板の実績があるが、昨季は6登板、今季は登板ゼロに終わった。不調と言われるが、2軍では実力上位。プロテクト外ならば間違いなく持っていかれるだろう。
阪神は谷川昌希がプロテクト外ならば有力。今季2軍で22試合7勝1敗、防御率2.62の好成績を挙げた先発投手だ。ソフトバンクからトレード加入したばかりの飯田優也も1軍での出番が少なく可能性あり。
ソフトバンクは笠谷俊介が当落線上。しかも、21歳と若い上に、2軍で防御率3点台と健闘し、シーズン後半は一段と質のいいボールを投じていた。さらに先発タイプの左腕と西武がノドから手が出るほどほしい存在。浅村を狙うならばソフトバンクは流出を覚悟しなければならない。ベテランでは中田賢一が外れれば、獲ってくるはず。
中堅左腕の海田智行が当落線上。2017年に左ヒジを手術した影響もあり、ここ2年で1軍登板は16試合に留まるが、実績は十分で31歳とまだ衰えきる年齢ではない。
文=落合初春(おちあい・もとはる)