この日の則本は、初回の立ち上がりが不安定。先頭打者こそ三振を奪ったものの、そこからヒットと四球で走者をためて中田翔に3ランを浴びる。二死からもヒットの走者を一塁において大田泰示に2ランと、いきなりの5失点。普通なら、早々に降板となってもおかしくない。
しかし、そこは首脳陣の信頼が厚いエース。2回以降は立ち直り、無失点。チームは2回裏に好調な打線が一挙6点を挙げ逆転。その後も着実に加点し、最終的には15対6で楽天が勝利。則本はリーグトップの5勝目を手にした。
この日の則本の奪三振は12個。これで2ケタ奪三振の連続試合数を5に伸ばした。歴代最多は、近鉄時代の野茂英雄(元ドジャースほか)が1991年に達成した6試合連続だ。
則本と同じ5試合連続は、野茂が「6試合連続」以外で2回経験しており、ほかにも杉内俊哉(巨人、当時ソフトバンク)、ダルビッシュ有(レンジャーズ、当時日本ハム)、能見篤史(阪神)がマークしている。
今季の則本は毎週水曜日に登板しているので、ローテーション通りなら、次は5月24日のオリックス戦(ほっともっと神戸)となる。
前回先発したオリックス戦(5月3日、Koboパーク宮城)では、8回まで無失点の完封ペースでいきながら、9回にT-岡田に2ランホームランを打たれ降板。その後、松井裕樹が後続を断ってチームは勝利。則本も勝利投手にはなったものの、マウンド下りるときの表情には、悔しさがありありと浮かんでいた。雪辱を期して、完璧な投球を狙ってくるに違いない。
もし、則本が次回の登板でオリックス打線をきっちり抑えて6勝目を挙げるようなら、野茂に並ぶ6試合連続2ケタ奪三振も達成している可能性が高い。5月24日の則本のピッチングに注目だ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)