高校、大学、プロとアツい優勝争いの後ろに、寂しい敗退・引退も。1つの時代が幕を下ろそうとしている
『今週の野球みどころランキング』は、9月末から10月第1週に注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
今後の簡単な野球界のスケジュールは最後にまとめていますので、重要事項はチェックしてください!
「侍ジャパン」社会人代表が アジア大会銅メダル
―――社会人野球
韓国・仁川で行われている『第17回アジア競技大会』の野球競技は、27日に準決勝、28日に決勝戦と3位決定戦が行われた。
社会人野球の精鋭24選手で挑んだ「侍ジャパン」は準決勝でチャイニーズ・タイペイ(以下台湾)に敗れ、1994年の広島大会以来となる金メダル獲得はならなかった。
準決勝はプロ選手16人、アマチュア選手8人で構成されたチャイニーズ・タイペイに対し、日本は初回に相手投手の押し出しで1点を先制するも、2回表に先発の横田哲(セガサミー)が台湾打線に捕まり、この回だけで6安打一挙7点を失った。その後も台湾ペースで試合は進み、4−10で敗戦。3位決定戦となった中国戦では、10−0の7回コールド勝ちを収めたが、悔しい2大会連続の銅メダルとなった。
大会は地元・韓国が決勝戦で台湾を破り優勝を決めた。
PL学園が2年連続近畿大会出場、東海大相模はセンバツ絶望的に
―――高校野球
部内不祥事の影響で後任が決まらず、野球経験のない正井一真校長が監督を務め、選手がサインや起用を決めるスタイルで戦っているPL学園高(大阪)。夏の大阪大会では日本一を達成した大阪桐蔭高に決勝で敗れた準優勝。秋も快進撃は続き、23日の秋季大阪大会5回戦で4年連続センバツ出場中の履正社高を5−1で下し、28日の準決勝で大商大堺高に10−2と圧勝。2年連続の近畿大会の出場を決めた。
一方、「最激戦区」とも呼ばれる神奈川大会を今夏に制した東海大相模高は、その決勝で20三振を奪った吉田凌らを擁して2季連続の甲子園を目指した。だが、秋季神奈川大会準決勝で平塚学園高に延長12回の末、1−2のサヨナラ負け。決勝進出2校に与えられる関東大会出場切符獲得を逃し、来春のセンバツ出場は絶望的となった。
明大、立大開幕4連勝。富士大、東農大北海道がリーグ戦制し明治神宮大会出場決定戦へ
―――大学野球
13日から始まっている東京六大学リーグは各チーム2カードずつの日程を消化し、すべてが2回戦で終わるというスムーズな進行を見せている。
好調なのは明治大と立教大。明治大は東京大と早稲田大に連勝。早稲田大との2回戦では先発の柳裕也(2年・横浜高)が8回2死まで無安打投球をみせる1安打完封。1回戦では、ドラフト上位候補左腕・山?福也(4年・日大三高)が6回5安打3失点で今季初勝利。現役最多となるリーグ戦20勝目を挙げるなど、投手二本柱の安定感はリーグ随一だ。
▲山?福也
また立教大は、法政大そして春季優勝の慶應義塾大に連勝。エースの澤田圭佑(2年・大阪桐蔭高)が3試合20回を投げ、わずか1失点とまさに大黒柱の安定感を見せるなど、投打の歯車が噛み合っている。1999年秋のリーグ戦以来の優勝を目指す。
今秋のドラフト会議で複数球団の1位指名が予想される早稲田大・有原航平(4年・広陵高)は右ヒジ違和感によりベンチ外が続いていたが、明治大との2回戦で復帰。3回を投げ1人の走者も出さず、上々の復帰登板となった。
北東北大学リーグはリーグ戦全日程を終え、富士大が2季連続25回目の優勝。ドラフト候補の外崎修汰主将(4年・弘前実高)が首位打者を獲得し、投げては来年のドラフト候補右腕・多和田真三郎(3年・中部商高)が最優秀選手賞を獲得するなど、投打の柱が大活躍。10月25日から始まる明治神宮大会東北地区代表決定戦に駒を進めた。
▲外崎修汰
また北海道六大学リーグでは、東京農業大北海道オホーツクが2季ぶり24度目の優勝。優勝を決めた旭川大戦では、ドラフト候補右腕・風張蓮(4年・伊保内高)が6回途中1失点の好投を見せるなど優勝に貢献。10月4日に行われる明治神宮大会北海道地区代表決定戦(vs道都大[札幌六大学リーグ])に駒を進めた。
田中将大最終戦登板、ジーターラストゲーム、ロイヤルズ歓喜のプレーオフ進出
―――MLB
右ヒジ靭帯の部分断裂で故障者リスト入りしていたヤンキースの田中将大が、27日のレッドソックス戦に復帰後2試合目の登板。だが制球が甘く、メジャー自己最短の1回2/3 7失点でノックアウト。右ヒジに何の問題もなかったが、悔しいシーズンラスト登板となり、今季を13勝5敗で終えた。また、この試合ではイチローが安打を放ち、日米通算21年連続シーズン100安打を達成した。
そのヤンキースではデレク・ジーターが引退。25日のホーム最終戦では、なんとサヨナラ安打を放つなど、誰からも愛されたスターらしい華々しい勇姿を見せた。さらにボストンで行われたシーズン最終戦では、ライバル関係にあるレッドソックスのファンからも大きな歓声が送られ、その存在の大きさや尊敬の念が見て取れた。ジーターは、この最終戦でも安打を放ち、通算3465安打で現役生活を終えた。
青木宣親を擁するロイヤルズは26日のホワイトソックス戦で3−1と競り勝ち、世界一となった1985年以来29年ぶりのプレーオフ進出を決めた。青木もこの試合で先制打を放つなど、シーズンを通しての大活躍を見せた。
▲青木宣親
プレーオフでは30日にアスレチックス(ワイルドカード2位)と1試合の地区シリーズ出場決定戦を戦う。
マリナーズはアスレチックスにわずか1勝及ばず、リーグ戦を終了。岩隈久志はメジャー自己最多の15勝(9敗)を挙げるも、自身初のポストシーズン進出はならなかった。
※日時はすべてアメリカ現地時間
巨人がV3達成! パはソフトバンクとオリックスの一騎打ちの行方は? 金子誠も引退へ
―――プロ野球
26日のDeNA戦で6−3と勝利し、巨人が3年連続36度目の優勝を決めた。例年に比べ盤石とは言えない打線ながら、巧みな勝負強さを見せた。
今年の打率10傑に入る選手は一人もおらず、阿部慎之助や村田修一らも今季は精彩を欠いていた。そして、チーム打率もリーグ6位と、このままいくと史上5度目のリーグ最低打率での優勝ともなりかねない中、得点圏打率はトップを誇った。
巨人は10月15日から始まるクライマックスシリーズ・ファイナルステージで日本シリーズ進出をかけて戦う。
一方、パ・リーグは優勝を目前にしたソフトバンクがよもやの5連敗を喫し、オリックスもなかなか勝ちきれずと最後までわからない混戦となっている。ソフトバンクにとってはリーグ最終戦となる10月2日の直接対決・オリックス戦(ヤフオクドーム)が天王山となる。
日本ハムの金子誠は27日に、今季限りでの現役引退を表明。日本ハム一筋21年、東京ドームを本拠地としていた低迷期からチームを支え続けたが、近年は大引啓次の加入などにより出場機会が減っていた。引退セレモニーは10月1日の楽天戦で行われ、今後はフロント入りし、編成部門を担当する見通しとなっている。
すでに引退を表明していたロッテの里崎智也の引退セレモニーが28日のオリックス戦後に行われた。「今日、プロ野球選手を卒業します」という一言からはじまり、最後はQVCマリンフィールド前特設ステージでのラストライブで締めくくった。
■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の
『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)
twitter(@you_the_ballad)
【アマ野球スケジュール】
高校野球日程
すでに新チームは始動しています!
各都道府県大会は9月、各地区大会は10月に行われる
大学野球
秋のリーグ戦開幕!
関甲新学生リーグ・決勝リーグ 10月4日
九州地区大学・決勝トーナメント 10月9日
明治神宮野球大会代表決定戦
北海道地区代表決定戦 10月4日(土)、5日(日) 網走呼人球場
東北地区代表決定戦 10月25日(土)〜27日(月) 花巻球場
関東地区代表決定戦 10月27日(月)〜30日(木) 横浜スタジアム
東海・北陸・愛知三連盟王座決定戦 11月1日(土)〜11月3日(月) 名古屋市瑞穂公園野球場
関西地区代表決定戦 11月1日(土)〜11月4日(火) 大阪市南港中央野球場
中・四国地区大会 10月25日(土) 松山坊っちゃんスタジアム
九州代表決定戦 10月18日(土)〜10月26日(日) 福岡 ヤフオク!ドーム、福岡工業大学FITスタジアム
社会人野球日程
第40回記念社会人野球日本選手権大会は11月1日開幕
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