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西東京の有望選手、大会展望

7月5日〜28日(神宮球場ほか)

三輪、廣谷ら擁し投打で圧倒する日大三
サウスポーたちの熱投が優勝争いを演出


投手編


▲高橋優貴(東海大菅生)

149キロ右腕・三輪に注目

 昨夏、甲子園で149キロのストレートを披露した三輪昂平(日大三)は、オリックスで活躍した三輪隆(現楽天コーチ)の長男。父は関東一で小倉全由監督の指導を受け、アンダースローのエース・平子浩之とのバッテリーで1987年のセンバツ準V。プロでは打撃の印象が強かったが、高校時代は強肩で名を馳せていた。そのDNAを受け継いだ息子も、地肩の強さと、親子二代に渡る小倉監督の教えにより現在の姿に成長。ストレート以外にもキレのいいスライダーがあり、乗っている時は相手を寄せつけない。夏への課題は、緊張感のある場面でも落ち着いて制球できるかどうかだろう。

 その日大三で春にエースナンバーをつけたのは釘宮光希。期待の好素材で、枚方ボーイズ時代は2年時にジャイアンツカップMVPを獲得。3年でU−16世界選手権の日本代表に選ばれ、淺間大基(横浜)や田嶋大樹(佐野日大)らとともに銅メダル獲得に貢献した。細身ながら軸足の強い蹴りで躍動感あふれる投球をする。

 日大三に対抗するチームとして東海大菅生から、高橋優貴、小林大の二枚左腕を挙げたい。下級生時代から主戦で登板している2人は、ともにストレートの最速は130キロ台後半。高橋は手元で伸びるストレートが素晴らしく、小林は外のカーブやチェンジアップで目を泳がせておいてからズバッと懐を突くなど、緩急の使い方がうまい。不安材料としては、昨年は二松学舎大付に0−23、今年は日大三に0−12と、春の都大会で2年続けて2人が打ち込まれたこと。若林弘泰監督も両左腕の成長を認めつつ「練習試合では強豪相手でも堂々と投げているのに…」と首をひねる。最後の夏は大舞台での立ち回りがカギを握りそうだ。

 一方、春の都大会で日大三に競り勝ったのは日大鶴ヶ丘。エースの秋山翔はその試合、伸びのあるストレートを武器に好リリーフ。物怖じしない投球が目を引いた。

 その他、右腕では最速143キロで素材豊かな四戸洋明(国士舘)、130キロ後半のストレートとスライダーを低めに集める長島隼輝(片倉)などの名前が挙がる。長島は今春の都大会一次予選・小川戦で7回13奪三振と好投したが、本大会は故障もあり野手に専念。夏は万全のコンディションでの活躍に期待がかかる。

打者編

▲廣谷真也(日大三)

野手も日大三の選手中心

 野手も日大三勢に好選手が揃う。まず前出の釘宮だが、登板しない時は打撃センスを生かしてクリーンアップに入る。4番を打つ廣谷真也は貫禄十分な右の大砲。ショートの船山貴大は身長168センチながら打席ではオーラを漂わせ、守備でも俊敏なフットワークで難しいゴロを軽快にさばく。

 その他、北竜馬(佼成学園)の打撃もチェックしておきたい。一本足で安定感ある下半身を主導に、後ろが小さく前の大きいスイングで、インコースもうまくさばく。

 2年生ながら注目されるのが、加藤雅樹(早稲田実)と勝俣翔貴(東海大菅生)の2人。ともに1年からレギュラーとして出場し、すでに中心選手としての風格が漂う。さらなる高みを目指し、この夏の活躍に期待したい。

大会展望
日大三の牙城は今年も健在


ここ数年続く日大三の“1強”は変わらない。今春の都大会では準々決勝で敗れたが、例年通り地力のある打線と複数の好投手が備わっている。暑さと連戦で各校のエース投手が疲弊する夏において、その強さは圧倒的に際立つ。対抗馬は、今春、チームワーク主体の手堅い野球で日大三に勝った日大鶴ヶ丘と、左腕の二枚看板が揃う東海大菅生。日大三にない要素がどれだけ通じるか? 以降の勢力も実力は非常に拮抗しており、日大三以外は下克上というのが実情だ。

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