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最初で最後の夏に走攻守で大爆発したニューカマー! 姫野優也(日本ハム8位)のスゴさとは?

 ドラフト候補選手と、彼らを育てた指導者の証言で構成される「監督・選手インタビュー」。本誌『野球太郎 ドラフト直前大特集号』で人気のコーナーだが、今回は日本ハムから8位指名を受けた、姫野優也(大阪偕星学園)に迫ってみよう。


●山本?監督の証言

★最初の印象
 前にいた高校を辞めて、縁あってウチにきたのが1年秋。まず見て思ったのは体が違うということ。骨格が発達し、肉付きのバランスもよく、筋肉も柔らかい。中でも広背筋。ランニング姿をうしろから見て右側の盛り上がりに驚きました。投げるも、打つも背筋が大きく関係しますが、彼の背中を見た時、これは相当な可能性を秘めていると確信しました。

★投手姫野
 ピッチャーとしての期待が先にあり、実際にスピードもありました。ただ、上体に頼った強引な投げ方で、一言で言えば「ドアーム」。上体の開きが大きく球が指にかからないことも多かった。それでもこの夏も投げればしっかり抑えましたし、好投手には違いありません。ただ、それ以上に三拍子揃った野手としての魅力が上回るようになったということです。

★打者姫野
 心の状態がすぐバッティングに出ます。甲子園の九州国際大付戦では先頭打者ホームランを打ちましたが、なんとかチームのために塁に出ようとバットを短く持ち、肩を開かず打った結果。逆に、よし、俺が……という気持ちが強いと肩が開いてヘッドが寝た形になりやすい。プロに行けたとしたら毎日が生活のかかった打席。その点では向いていると思います。

★鬼肩
 満足に高校野球をやったのは1年半程度。それで今のレベルにあるわけですから、素材が違います。外野手としての肩ひとつとっても別格。私も現役時代、肩はそこそこいいと言われていて遠投は115メートル。それを彼は130メートルくらい投げますから。プロでもちょっといないでしょう。

★これから
 私も韓国のプロ野球でプレーし、日本でもテストを受けたりしました。彼も紆余曲折ありここまできましたが、素晴らしい素質に恵まれた選手で、いろんな経験をしたからこその強さも持っています。


●姫野優也の証言

★野球ができる喜び
 1年の夏で天理を辞めてからはアルバイトをしたりしていました。野球ももう終わったなあって感じがありましたけど、その時はあんまり深く考えていなくて。でも、偕星に行く機会に恵まれ、また野球ができるようになり、自分には野球しかないと気づくことができました。最後に甲子園まで経験することができ、本当にここにきてよかったと思っています。

★山本監督との出会い
 約5カ月、野球の練習から離れた時がありました。でも、なんとか最後までやり切れたのも監督のお陰。本当にそれ以外にない。一言で言えば監督は「熱い男」。熱すぎるくらいに熱くて人生の中でこんな人に出会ったのは初めて。いつも僕たちのことを一番に考えてくれて感謝しかないです。

★バッティングの目覚め
 まだまだ技術的な知識も浅く、自分の形やスイングもよくわかっていません。ただ、この夏の大阪大会に入った頃から、ここでとらえたら飛ぶ、というポイントが少しわかるようになりました。一言で言えば投手寄りで、いわゆる前。実は素振りをする時にホームベースの上を見るように顔を下に向け振っていたんです。それをコーチに「ピッチャーの奥を見る感じで振れ」と言われて。そのあたりから感覚も変わって飛ぶポイントを掴めるようになった気がします。

★これから
 プロ野球選手でプレースタイルが好きなのは3拍子揃ってスケールのある糸井(嘉男)選手。キャラクターでは清原(和博)さん、中田(翔)選手、村田(修一)選手。男っぽく熱い人が好きなので。理想はそんな両方の魅力を持った選手。自分でもまだまだ伸びる可能性を感じているので頑張ります。


※この記事は『野球太郎No.016 2015ドラフト直前大特集号』の「ドラフト候補&指導者マンツーマン・インタビュー」より、ダイジェストでお届けしております。

構成=野球太郎編集部

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