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【ソフトバンク】岡島秀樹と五十嵐亮太〜メジャー帰りの意地と投球術を見よ!

 パ・リーグの首位を走るソフトバンク。打撃十傑に6人(中村晃、柳田悠岐、内川聖一、李大浩、長谷川勇也、本多雄一)も連ねる強力打線がチームを牽引している。だが、チーム防御率もオリックスに次いでリーグ2位。投打のバランスにも優れているのは間違いない。そんな投手陣を支えているのが35歳・五十嵐亮太と39歳・岡島秀樹、メジャーリーグを経験して日本球界に戻ってきた2人の救援投手だ。


▲五十嵐亮太


 ヤクルト時代、同僚の石井弘寿とともに「ロケットボーイズ」の愛称で親しまれ、日本最速右腕の呼び声も高かった五十嵐亮太。あれから10年、メジャーも経験した五十嵐は、ストレートで魅了した投球スタイルはそのままに、さらなる進化を遂げている。かつての160キロを狙うようなストレートとまではいかないが、今でも最速は150キロ台中盤、平均でも148キロを誇っている。さらに、メジャーで習得したナックルカーブを活用し、ヤクルト時代にはなかった「緩急」でも勝負できるようになったのが大きい。

 今季はここまで51試合に登板し、1勝2セーブ37ホールド。防御率が0.72と脅威の安定感を誇る。8月7日にはデビューから「601試合連続救援登板」を達成し、藤田宗一(元ロッテほか)の持っていたプロ野球記録を更新。まさに「円熟期」と呼ぶにふさわしい活躍を見せている。

 そして、もう1人のメジャー帰りが日米5球団で中継ぎエースを務めてきた左腕・岡島秀樹だ。


 2012年、ソフトバンクで56試合登板に登板し、0勝2敗9セーブ24ホールド、防御率0.94を記録。抜群の安定感でソフトバンクのAクラス入りに貢献したが、もう一度メジャーへ――、という夢を追って渡米。残念ながら、わずか5試合の登板に終わり、昨オフ、改めてソフトバンクと契約した。

 “再”入団会見では「自分のわがままでアメリカへ渡ったのに、快く迎えていただき感謝。ホークスに恩返しがしたい」と語った岡島。今季は夏場に左ふくらはぎ痛で戦列を離れていたが、8月末に復帰。勝負どころの秋に、貴重な左腕が戻ってきたことは大きいだろう。

 岡島は今季、4月8日の試合で通算500試合登板を達成。さらに、8月31日には日米通算800試合登板も達成した。日米を魅了してきた鉄腕が波に乗ってくれば、ソフトバンクの優勝への道はますます明るくなるはずだ。

※記録は8月31日現在。


■ライター・プロフィール
オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。ツイッター/@oguman1977

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