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【2016夏の高校野球】《南北海道観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド

7月16日〜22日(札幌円山球場ほか)

好投手が中心のチームが多く超混戦模様
右の強打者も揃い全国舞台への準備は◎

☆★☆ 投手編 ☆★☆

●駒苫盤石の投手陣


 有力校に絶対的エースが存在する中、駒大苫小牧・左右の二枚看板が輝きを放つ。左の阿部光輝はやや変則気味に投げ込む右打者へのクロスファイアーが持ち味。佐々木孝介監督から気持ちの弱さを指摘され、エースになれなかった昨秋を経て、エースナンバーにふさわしい成長を遂げた。右の阿部陽登は正統本格派。しなやかなフォームから糸を引くような140キロ台のストレートを低めに集める好投手。この両輪が9年ぶり夏の甲子園への道を切り開くか。

 右の上出拓真(札幌第一)、左の金澤祐汰(北海道栄)は昨秋の決勝で投げ合った。上出は183センチの身長をさらに大きく見せる大胆なフォームで真上から投げ下ろすストレートと精度の高い変化球が武器。金澤は173センチの体をいっぱいに使い、スライダーを軸に、打者を横に揺さぶりながら打ち取る。タイプは異なるが絶対的エースの存在感は共通項。ともに大崩れは考えにくい。

 倉内凱之(札幌日大)はフォームのバランスに苦心するが復調すればその球威と角度は魅力だ。

 成長株では山本琉生(北照)のスピードボールに注目。北照は複数投手で競争心を煽り、重圧を分散させて成長を促す一面もある。

 技巧派では本庄拳也(函館工)だ。正統派のサブマリンで120キロ台のストレートで強気に内角を攻め、スライダー、シンカーで緩急自在に翻弄する。高校生では稀なネット裏観戦がオススメの好投手。木田陽介(札幌南)の躍動感溢れる投球と、道内一の進学校ならではの頭脳的な配球も一見の価値がありそうだ。


▲阿部陽登(駒大苫小牧)

☆★☆ 打者編 ☆★☆

●ご無沙汰、右の強打者たち


 今夏は待望久しい右の強打者が揃っている。この冬から両打ちに挑戦している斉藤上総(北照)は元来右の強打者。小柄ながらパンチ力もあり走攻守に秀でる内野手だ。北照には大型捕手の岡島颯、大砲候補・藤田喬導、スピード感溢れる西崎真斗と右の強打者が多い。

 駒大苫小牧を走攻守で牽引する主将・若林楽人も右の好打者だ。今季から内野手に挑戦し、春は背番号6。器用さに長打力、スピードも兼ね備えたアスリートタイプ。

 公平銀仁郎(北海道栄)は163センチと小柄でもパンチ力があり、振り抜いた打球は軽々と外野の間を抜ける。献身的な二塁守備もチームに欠かせない。

 昨春のセンバツ準優勝メンバーが「アイツはすごい」と語るのは酒本永遠(東海大札幌)。スキーで鍛えられた強靭な下半身を主導に強い打球を放つ。昨春は代打で甲子園決勝の檜舞台に立ったが、秋は試合前のノックで負傷し、今春も背番号17。復活に期待。パワー自慢の小林由來、2年生・浦田純平もともに右打者。東海大札幌の強打の伝統を受け継ぐ。

 強打の大型内野手で注目される片岡新吾(札幌大谷)は187センチに秋から6キロ増の83キロ。社会人出身の船尾隆広監督も「不動の4番」と全幅の信頼を寄せる。

 左打者では加藤泰行(北海道栄)、大嶋優太(札幌日大)、山田竜平(札幌清田)、宮澤晃汰、高階成雲(ともに2年・札幌第一)、今春、鮮烈デビューの1年生・金澤勇士(札幌大谷)に注目したい。


▲斉藤上総(北照)

☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●上位勢の大混戦模様はまだ続く


 センバツ出場の札幌第一が第1グループだが、昨秋優勝への敬意も込み。本当は第1グループに第2グループの4校も入れたかったほどで、言葉は悪いが「限られた学校による大混戦」は続いている。昨夏と比べると北海と北海道栄が入れ替わった様相か。当然、北海も連覇を狙える位置。例年以上に投手力中心の学校が多い。打力が光るのは北照と東海大札幌。打ち合いや大逆転、ビッグイニングが増える夏、打撃自慢のチームが一気に甲子園へ、この夏なら大いに起こり得る。

地区勢力ピラミッド

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