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明暗がはっきりわかれてしまったメジャー出戻り選手たち。中島裕之の不調の原因を突き止めた!?

 今季、黒田博樹、松坂大輔、田中賢介、中島裕之の4選手がアメリカから帰ってきた。大きな注目を集める中、久しぶりの日本球界で開幕からどんなプレーを見せているか、今週は中島と田中を中心に振り返ってみよう。
(成績はすべて4月12日終了時点)

☆不調の原因は「強い打球が飛ばない」

 2013年、総額650万ドルの2年契約でオークランド・アスレチックスと契約した中島裕之だったが、ケガなどの影響で一度もメジャーでプレーすることなく、日本に復帰した。

 オリックスの大型補強の目玉として注目を集めているが、今季はここまで打率.237、2本塁打と本来の実力からすれば物足りない成績だ。

 開幕から4番・一塁手として起用されていたが、9日のロッテ戦、10日の楽天戦がノーヒットに終わると11日の楽天戦からは6番に下がった。先週は23打数5安打、打率.217と調子が上がってこない。


 中島だけではなく、オリックスのチーム全体も絶不調だ。
 チーム打率.213は12球団ワースト。糸井嘉男が打率.175、T−岡田が.167、安達了一が.143と目を覆いたくなるような数字が並ぶ。2勝12敗とパ・リーグの借金をオリックスだけが背負う形となっているが、巻き返しのためには打線の復調が必要だ。

 中島の凡打の傾向を見ると、ゴロアウトはショートゴロとサードゴロが計13本。ピッチャーゴロが1本、セカンドゴロが3本。

 一方、ライナーやフライのアウトはレフトフライが2本、センターフライが6本、ライトフライが3本。ショートフライが1本、セカンドフライが2本、ファーストフライとライナーが1本ずつ、セカンドライナーが1本。

 引っ張った打球はゴロになり、逆方向への打球はフライになっている傾向が強い。広角に打てるのが中島の長所でもあるが、引っ張った時は打球が上がらず、逆方向への打球はフライになっていることを見れば、「力強い打球を飛ばせていない」と捉えることもできる。

 『野球太郎[Special Edition] プロ野球選手名鑑+ドラフト候補名鑑2015』で、中島に求める合格ラインの成績を【100試合、打率.260、15本塁打、60打点】と設定したが、下方修正する必要があるかもしれない。

 まずは、引っ張った時にどれだけ力強い打球を飛ばせるかが、中島復調の目安となるのではないだろうか。

☆開幕ダッシュに貢献する高い出塁率!

 日本ハムの田中賢介は先週4試合で15打数5安打、打率.333。7日の西武戦では十亀剣から日本復帰後初本塁打を放った。

 今季の通算成績は、全試合に出場し打率.320、1本塁打、9打点、出塁率.414。

 13試合中、一度も出塁できなかったのは2試合だけとチャンスメーカーとして文句ない成績を残している。

 田中に求める合格ラインは【120試合、打率.280、5本塁打、40打点】と設定したが、中島とは逆に上方修正する必要があるだろう。


 チームも6年ぶりに7連勝を記録するなど開幕ダッシュに成功し、10勝3敗で首位。投打のバランスもとれていて、しばらくはパ・リーグのペナントレースを引っ張っていくのではないだろうか。

 ちなみに、先週取り上げた田中の犠打数は、まだ0。
 チームの犠打数も3のままで、リーグ最少だ(最多はロッテの10)。

 黒田博樹のゴロを打たせるピッチングにはますます磨きがかかっている。2勝目を挙げた11日の阪神戦では6イニングを投げてフライアウトは、たったの1つ。ゴロアウトは10を数え、今季通算のゴロアウトは30、フライアウトは11となった。

 今週から、各球団の対戦も2回り目に入る。
 各選手とも日本復帰後2度目の対戦を迎える中で、どのような結果を残していくか、注目しよう。


■ライター・プロフィール
京都純典(みやこ・すみのり)/1977年生まれ。データ関係の仕事を得意とする野球ライター。『プロ野球本当の実力がわかる本2015〜セイバーメトリクスで見るプロ野球〜』 (日刊スポーツ出版社)の監修を務めた。『野球太郎[Special Edition] プロ野球選手名鑑+ドラフト候補名鑑2015』の巻頭ページにて、2015年注目トピックの全データを解析した。中日ファン。

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