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松井秀喜の愛したカレー#001

 夏。それは高校野球とカレーの季節だ。
 球児は汗を流して甲子園を目指し、私は汗をかきながらカレーを食す。

 食欲が落ちがちな夏でも、「カレーなら食べられる」という人は意外と多いはず。ルーに入っているスパイスには食欲増進や消化促進の効能があり、さらには熱中症や夏バテ予防にも最適なんだそうだ。私のようなオッサンよりも、夏の日差しと戦う球児こそカレーを食べるべきではないだろうか。

 それを証明するように、あの伝説の元高校球児もカレーが大好きだった。夏といえば思いだす、松井秀喜(元巨人ほか)と5打席連続敬遠。

 そんな松井に由来するカレーがこのほど全国発売される。
 その名も「松井家秘伝のカレー」。8月1日から全国小売店で「ニンニクなし・練習中バージョン」と「ニンニクたっぷり・試合前バージョン」の2種類が発売。パッケージに施された松井家のツタの家紋は、父・昌雄さんのこだわりであるという。

 このカレー、元々は、松井秀喜の現役時代を追いかけ続けたニッポン放送が「リスナープレゼント限定」で2004年に製作したもの。ファンの間で「幻のカレー」として復活希望の声があがり、このほど商品化されたのだ。

 ニッポン放送の担当者が、石川県にある松井秀喜の実家に赴き、母・さえ子さんが松井の少年時代から練習や試合前の前に作っていたカレーをレシピ通りに再現。父・昌雄さんも「秀さんがいつも食べていたのは、まさにこれ!」と認める味になった。

 松井自身も自宅のあるニューヨークで試食した際に「おいしい」のサインである“ニッコリ笑顔”を見せたという。モノ言わずとも意図を込められるところがなんとも松井らしい。

 オススメはやはり、松井が愛してやまなかったという「ニンニクたっぷりバージョン」だ。“ニンニクたっぷり”と言ったって、せいぜい擦ったニンニクを入れた程度だろう、と思いきや、スライス状のニンニク片が何枚もルーを泳いでいる。「ニンニクなしバージョン」と同じ“中辛”であるにもかかわらず、明らかに刺激が強く、吹き出る汗の量も違う! 松井の打撃同様パンチの効いた味が、さらに食欲をかき立ててくれる。

 引退にあわせてでもなく、国民栄誉賞のタイミングでもなく、この8月に発売を決意したのは、きっと甲子園の季節だから。高校野球観戦のお供に、今年は「松井家秘伝のカレー」が欠かせないようだ。


◎松井家秘伝のカレー(ニンニクなし・練習中バージョン/ニンニクたっぷり・試合前バージョン)(どちらも200g・420円※税込)。8月1日から全国発売。



▲上がニンニクなし・練習中バージョン
▼下がニンニクたっぷり・試合前バージョン



文=オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。また「幻冬舎WEBマガジン」で実況アナウンサーへのインタビュー企画を連載するなど、各種媒体にもインタビュー記事を寄稿している。ツイッター/@oguman1977

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