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【近畿地区編】シーズン前はこんな評価でしたが、2カ月経った後のドラフト候補たちはどう見えますか?

吉川 雄大 ヨシカワ・ユウダイ
智辯和歌山(和歌山県)/投手
181cm79kg/左投左打


■今春の成長ポイント
さりげなく、静かな立ち上がり
■コメント
ピンチにも実によく落ち着いて、打者から一番遠いポイントに速球、スライダーをきめながら切り抜ける。その勝負根性には脱帽するが、いつもうまくいくとは限らない。ピンチは作らないに越したことはない。左打者が大きくのけぞるほどのカーブ、スライダーのブレーキは高校生ばなれ。足がもつれがちなバント処理は勉強を。

乾 陽平 イヌイ・ヨウヘイ
報徳学園(兵庫県)/投手
180cm72kg/右投右打

■今春の成長ポイント
<力むと突っ込む>の改善はどう?
■コメント
昨秋の近畿大会、鬼より怖い大阪桐蔭打線を1安打完封。140キロ前後の速球で押しに押した。いい打者になるほど体の近くを突いて、4番の顔面に当てても内角を攻め続けた。この投手のピッチングには<意地>がある。<矜持>といってもよいだろう。単に速いとか、投球センスがあるとか、そんな論評は失礼だ。この投手には敬意を表する。

森 友哉 モリ・トモヤ
大阪桐蔭(大阪府)/捕手
170cm80kg/右投左打

■今春の成長ポイント
藤浪抜けて今度はキミが勝たす番
■コメント
葛川知哉、?西涼太、今度の相手だって、普通だったらバリバリの超高校級だ。但し、<あの投手>のあとじゃ、誰だってやりにくさ100倍だろう。さあ、どうする? 何もしないのも逆に<手>かもしれない。それよりボクは、キミのあの、相手投手のベストボールまでも軽々と放り込んでしまう実に<失礼>なバッティングを再び見たい。

水谷 友生也 ミズタニ・ユキヤ
大阪桐蔭(大阪府)/遊撃手
175cm75kg/右投右打

■今春の成長ポイント
打席でも堂々と自信を持って
■コメント
グラブを持っている時と、バットを握っている時でユニフォーム姿の大きさが違って見える。三遊間最深部のゴロに小足を使って捕球し、ダイレクトで刺せる強肩と技術はすでにプロ級。ゆえに、大きく見える。逆に打席で小さく見える。コンプレックスの必要はない。同僚がすご過ぎるだけだ。打撃だって、高校生の水準は優に超えている。

小出 智彦 コイデ・トモヒコ
愛知啓成〜近畿大(関西学生リーグ)
投手/181cm74kg/左投左打

▲写真提供:UNN関西学生報道連盟

■今春の成長ポイント
コンスタントに勝てる実戦力
■コメント
昨秋リーグ戦では京都大戦でノーヒットノーランを記録。タイミングのとりにくい投球フォームから、カーブ、スライダーの変化点の近さと運動量の大きさはプロでも通用する《飛び道具》だ。しばらく鳴りを潜めている近畿大だけに、最後の1年で再び全国の強豪に返り咲きを。この左腕の双肩にかかっている。

岩橋 慶侍 イワハシ・ケイジ
京都すばる〜京都産業大(関西六大学リーグ)
投手/185cm83kg/左投左打
■今春の成長ポイント
被安打を減らしたい
■コメント
走者を背負っても得点を許さない。それがスタイルでも走者は少ないに越したことはない。速球で押す。カットボールでバットの芯を外す。メリハリの効いた投球。昨秋は、MVP、最優秀投手、ベストナインの3冠を獲得してリーグ制覇。名前に付けられた<サムライ>の文字。その通りの雄々しく、折り目正しく、気合いに満ちた投球だ。

大畑 建人 オオハタ・ケント
神村学園〜大阪体育大(阪神大学リーグ)
三塁手/174cm80kg/右投左打

■今春の成長ポイント
持ち前の強打にもうワンプッシュ
■コメント
1年春から不動の4番打者を務めてきて、ここしばらく、ちょっと精彩がないのか。ドッシリした下半身を土台にしたスイングスピードはプロの素材。長打にできるツボを持った怖さ。インパクトだって音からして違っている。木製バットには芯があることを思い出させてくれるような打球音。最後のひと暴れを期待したい逸材だ。

張本 優大 ハリモト・マサヒロ
菊華〜佛教大(京滋大学リーグ)
捕手/180cm80kg/右投右打

■今春の成長ポイント
実戦の中に見えるリーダーとしての存在感
■コメント
こんなもんじゃない。いろいろな意味で、絶対こんなものじゃない。身体能力とパワーはあふれている。それを野球に全力で振り向ける意欲さえあれば、関西を、いや全国の学生球界を代表する捕手にもなれる。インパクトからのスイング軌道の大きな長距離砲の資質、軽く投げてもスルスルッと伸びていく「猛肩」。あとは思い。本人次第だ。

秋吉 亮 アキヨシ・リョウ
都足立新田〜中央学院大〜パナソニック(24歳)
投手/182cm76kg/右投右打

■今春の成長ポイント
緩急の球速差を広げる緩い変化球
■コメント
テークバックでボールを隠し、サイドハンドから<怒り>のこもった投げっぷりが痛快! 鋭いスライダー、カットボールにとぼけた味のチェンジアップ。<速い系>で詰まらせたいのだろうが、強打線に後半つかまることがあるのは、球速差の幅がないからでは。上で先発を望むなら、打者を前にのめらせるボールは絶対必要条件になる。

安井 亮輔 ヤスイ・リョウスケ
酒田南〜三菱重工神戸(21歳)
投手/174cm74kg/左投左打

■今春の成長ポイント
強打者相手の気負った失投の解消を
■コメント
向こうっ気の強さでガンガン向かっていく勝負根性はこの投手の生命線でもあるが、気持ちが入りすぎて手元が狂うのを待ち構えられている傾向も。ワナにハマるな! 140キロ前後でも、プロのファームの打者たちは差し込まれ、間合いがとれず。スライダー、チェンジアップに、落ちる系はフォークか。持ち球は間違いなくプロのボール。

本誌情報
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