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2013夏・甲子園出場校のみどころはコレだ!【西日本編/議題4】

後編は西日本(近畿地区よりも西の地域)の出場校に関する話です。

「元チームメイト」が甲子園に!

西山 東日本からは甲子園常連のような高校が多かったですが、西日本はフレッシュな高校が多い印象です。まず、近畿は何といっても大阪桐蔭。野手は、森友哉、笠松悠哉、水谷友生也、近田拓矢…と名前はドンドン挙がってきます。
持木 近畿は特に公立校が出場が目立つね。大阪桐蔭打線は全国でも有数だよね。あとは軸になる存在のピッチャーが現れるか? でしょう。葛川知哉、?西涼太、網本光佑の3年生に藤浪晋太郎(現阪神)とまでは言わないけど、軸になるピッチングをしてほしいなぁ。近田は死球による骨折でセンバツを逃しているから余計にその打棒に期待したい選手です。
菊地 水谷、葛川、田村斗紀は大阪の枚方ボーイズ出身です。数年前まで甲子園中継の名解説者だった、鍛治舍巧監督が指揮を取る超名門チーム。今年もボーイズ日本一に輝き、彼らが在籍した当時は「最強チーム」と呼ばれていました。その枚方ボーイズに一日体験入部させてもらったことがあるのですが、選手、指導者、保護者が一体となって「将来甲子園に!」という意気込みで取り組んでいて、凄い熱気を感じました。「元チームメイト」の3人には、ぜひとも頑張ってもらいたいです!


▲葛川知哉(大阪桐蔭)


西山 福知山成美のエースは実力もありますが、名前も注目されるだろう仲村渠(なかんらかり)康太がいます。また、箕島はあの故・尾藤公さんの長男にあたる尾藤強さんが監督を務めているということでも話題を集めます。
持木 星稜と箕島が3回戦で当たることになったら、伝説の延長18回のゲームの再現で盛り上がるだろうね。しかも、両ベンチには当時の両校の監督の息子さんがいるんだからね。
菊地 桜井(奈良)は斑鳩(現法隆寺国際)を2度センバツ出場に導いた森島伸晃監督の「心の野球」が、全国の指導者たちから注目を集めそうです。活躍して喜ぶことはせず、相手の好プレーに拍手を送る…。相手の良さを消すのではなく、自分の力を出し切る、自分との戦いに勝つ…という指導のようです。もちろん素晴らしいチームだと思うのですが、甲子園に出てくるのがこのようなチームばかりになったら、それはそれでどうなんだ? という思いもあります。

広島大会の疲労が心配…だが、アピール次第でドラフト戦線に浮上も!

西山 中国からは広島の決勝がすごかったですね。そこを勝ち上がってきたのは瀬戸内です。
持木 決勝が延長15回0-0の引き分け再試合というだけでもすごいのに、再試合も1-0で両エースが投げきったんだからね。ほんとうに惜しかった広島新庄の田口麗斗も甲子園で見たかった。勝った瀬戸内の山岡泰輔は広島大会の疲労が心配だけど、甲子園でのピッチングには大いに期待が集まるね。
菊地 山岡は映像で少ししか見たことがないのですが、春からいいと聞いていて、特にスライダーの滑りがとにかく素晴らしい! 上背がない(171センチ)せいかスカウト陣からの評判はあまり聞きませんが、今夏の甲子園でアピールすればドラフト戦線に浮上してくるかもしれません。


▲山岡泰輔(瀬戸内)


西山 センバツも出場した岩国商。打撃がいいチームが多くなる夏の甲子園でどこまで相手の攻撃力を封じられるか、高橋由弥のピッチングが鍵となると思います。
持木 高橋はバッティングもいいね。高橋は3番打ってるけど、一昔前には地方によくいたエースで4番タイプの選手です。上のレベルで投打のどちらに絞るのか? はやりの「二刀流」でいくのか。

田中将大並みになる可能性

西山 四国は済美が、安樂智大が甲子園に戻ってくるのが最大のトピックスでしょうか。愛媛大会でも150キロ台を連発し、安樂自身もチーム自身も貫禄が備わってきたように見えました。
持木 安樂すごいね。センバツが終わって体調を心配する向きもあったけど、157キロ出して愛媛大会を勝ち上がってくるんだからね。田中将大(現楽天)並みのレベルになる可能性を感じさせます。


▲安樂智大(済美)

菊地 『野球太郎No.005』でライターの谷上史朗さんが「安樂智大と上甲正典」という記事を書いていて、「球数問題」でヒートアップする周囲とクールな現場とのギャップが浮かび上がった印象があります。未読の方は、ぜひこの機に読んでいただきたいですね。
持木 タイプはぜんぜん違うけど、岸潤一郎もあの明徳義塾で2年生でエースで4番なんだから期待したい選手です。
西山 最後に九州は、前回紹介できなかったのは福岡・自由ケ丘です。
菊地 赤嶺琢監督は元・沖縄水産監督の栽弘義さん(故人)の長男。箕島の尾藤監督同様、「名将2世」として注目を集めそうです。個人的に最近、「沖水野球部あるある」で栽監督の逸話に触れていたので、親近感が湧いています。ちなみになぜ苗字が違うのかと言うと、最初の奥さんとの子どもだからです(栽監督は結婚を3度を経験するなど、破天荒な人物としても知られていました)。

「歴史の証人」になれるか…

西山 では、最後に言い残したことや甲子園出場校の総括や、期待したいことなどありましたら…。僕から言いますと、繰り返しになりますが、上田西の武田竜樹の足はぜひとも忘れることなく見てほしいですね。あと、春の結果は度外視して、夏にきっちり合わせてきた中村文英(福井商)がどれだけのピッチングを甲子園で見せてくれるかも楽しみです。
持木 個人的には近畿の甲子園常連校が出られなかったので、そのあたりが大会自体にどんな影響を与えるか 興味ありますね。センバツの決勝を争った浦和学院と済美の再戦があるのか? も興味深いです。桐光学園の松井裕樹を凌駕するような選手の出現に期待です。
菊地 昨夏の甲子園、花巻東の大谷翔平(現日本ハム)が甲子園に出られなくて、少し落胆していたところへ松井裕樹が現れました。今年もそんな「歴史の証人」になれる醍醐味を味わせてくれるような存在に出会いたいですね。
西山 読者の皆さんの甲子園、その後のドラフトを見る楽しみに繋がったら幸いです、ありがとうございました!

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