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【2015夏の高校野球】《長崎観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド

7月10日〜26日(長崎ビッグNスタジアム)

今季の長崎投手陣は実戦で本領発揮する
群を抜く海星のスラッガー平湯の飛距離

☆★☆ 投手編 ☆★☆

●実力伯仲の実戦型投手たち


 目玉や素材型というよりも実戦型が目につく今季の長崎投手陣。

 たとえば、腕の振りが力強い右腕の石場匠(海星)。切れ味抜群のスライダーで空振り三振、引っ掛けさせてのゴロアウトが計算できる、トーナメント戦では重宝される投手だ。

 182センチの長身左腕、水永悠斗(創成館)は、長いリーチをムチのようにしならせ、より前で球をリリースできる好投手。リリースが低いスリークオーターで、とりわけ左打者へのスライダーは有効だ。外野を守るパワースタイルの鷲崎淳を投手で起用することがあれば、タイプの違う両者の持ち味はさらに生きるはず。

 佐世保実は左右両輪に注目したい。左の松本大晟は右打者の内角をえぐる度胸のよさが球威に現れ、外の出し入れもうまい。右の澤邊翼は制球力を生かした小気味いい投球が健在。先発した九州大会の九州国際大付戦では敗れたものの、繊細なコーナーワークでフライアウトの山を築き、3失点にまとめている。

 清峰の福田丈一郎は、制球力が生命線。ストレート、変化球とも丁寧に低めに集め、打たせて取る投球を身上としている。130キロ台中盤で推移していた最速帯も、140キロ到達は目前だ。

 福田拓真(小浜)は、伸びのあるストレートと打者の手元で鋭く曲がるスライダーが面白い。昨年夏の海星戦で故障したヒジの状態もよくなり、緩急を駆使した投球術に冴えが出てきた。

 昨春の九州大会で途中登板し、いきなり140キロ超を叩き出したのは、小さな剛腕・柴崎康平(島原農)。平均130キロ台後半のストレートは、球威が加わり説得力がアップ。4番打者としての勝負強さも兼ね備える、天然の野球小僧である。

 セ・リーグ新人王の大瀬良大地を兄に持つ大瀬良優人(長崎日大)。才能開花はまだだが、マウンド上での姿は兄そっくり。血統のよさは申し分ないだけに、今後の成長に期待したい。


▲松本大晟(佐世保実)


☆★☆ 打者編 ☆★☆

●潜在能力の高い強打者たち


 筆頭は昨夏甲子園出場の平湯蒼藍(海星)だ。長崎海星シニア時代に日本代表の4番を任されたスラッガー。通算本塁打は、昨夏決勝での右中間弾や秋の2発などを含め30本目前。九州大会や甲子園で無安打が不思議なほど打球の強さや飛距離は群を抜いている。

 佐世保実の3番打者・池田盛一は九州大会の九州学院戦で一発を放った。177センチで65キロと線は細いが、計り知れないパワーが内蔵されているようだ。右の巧打者・中倉泰司と組むクリーンアップも、ライバルにとっては大きな脅威となってくるだろう。

 クリーンアップといえば、長崎商の3、4番も強力だ。3番の田原彰大は抜群のミート力と広角に打ち分ける技術、4番の山川晃汰は強靭な体幹を軸としたスイングの強さが長所。巧打先行だった山川は、春の大会でビッグNスタジアムの右翼席に叩き込むなどパンチ力に磨きがかかっている。

 永吉敦智(清峰)は勝負強い中距離打者だが、今季は飛距離が伸びてきた。坂本崇(島原農)は「単打ならいつでも打てる」といわんばかりにミートがうまい。


▲平湯蒼藍(海星)


☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●創成館・海星・佐世保実の優勝争いか


 秋に優勝した創成館、準優勝の海星が実力的には双璧で、ここに春を制した佐世保実が割って入った。タレントの枚数や経験、試合巧者ぶりからこの3校が優勝争いをリードすることは必至か。さらに昨春の優勝以降、県上位に定着した島原農、強打線で春準優勝の長崎商も差がなく続く。投打のバランスがいい長崎南山、佐世保工、九州文化学園あたりがトーナメントのカギを握る存在になりそう。清峰や長崎日大といった甲子園経験組、守備力のある昨夏8強の小浜も侮れない。

地区勢力ピラミッド

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