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大記録にまたもあと一歩およばなかったダルビッシュ!! 大学野球のリーグ戦も佳境へ。そしてまた、キューバから大物が!?

 『今週の野球みどころランキング』は、5月中旬に注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
 最後には今後の簡単な野球界のスケジュールを添えていますので、重要事項はチェックしてください!

九州大会はHondaが、東北大会はJR東日本東北が優勝し、日本選手権出場権を獲得!
―――社会人野球

 5月7日から『第67回JABA九州大会』が長崎県のビッグNスタジアムを中心に行われ、Hondaが決勝戦でNTT西日本を2−1で破り優勝、3大会連続の日本選手権出場を決めた。最高殊勲選手には拓殖大から今季Hondaに加入した石橋良太が選ばれた。

▲九州大会で最高殊勲選手を獲得した石橋良太。拓殖大時代は東都2部で防御率1位に3度輝き、最終学年の秋は1部でも登板した。[写真:高木遊]

 8日から『第45回JABA東北大会」が宮城県の仙台市民球場を中心に行われ、JR東日本東北が決勝戦で日本通運を3−1で破り優勝、3大会ぶりの日本選手権出場を決めた。最高殊勲選手にはJR東日本東北の藤井亮太が選ばれた。

ダルビッシュらを育てた若生監督退任へ、PL学園高はいまだ監督決まらず
―――高校野球

 東北高時代にダルビッシュ有(レンジャーズ)らを育て、2005年からは九州国際大付高の指揮を執っている若生正廣監督が今夏の選手権大会を最後に監督から退くことがわかった。

 東北高で7回甲子園に出場し、2003年夏にダルビッシュを擁し準優勝。九州国際大付高の監督就任後は、2011年春に準優勝を果たすなど3回の甲子園出場や、榎本葵、三好匠(ともに楽天)、二保旭(ソフトバンク)、?城俊人(DeNA)と4人のプロ野球選手を育てた。

 2007年に難病指定されている「黄色靱帯骨化症(おうしょくじんたいこっかしょう)」を発症後は、杖が手放せない生活となりながらも監督を続けてきた。後任には西武や楽天でヘッドコーチや編成部長などを歴任した楠城徹氏が有力候補になっているという。

 監督不在が続くのが大阪の名門・PL学園高。11日に行われた春季大阪大会準決勝で大阪桐蔭高と対戦したが、3−8で敗退。履正社高、大阪桐蔭高の二強時代になりつつある状況を打破したいところだが、後任監督探しはいまだに難航しており、野球経験のない正井一真校長兼暫定監督が夏の大会の指揮を執る可能性も大きいようだ。

DeNAがキューバの至宝・グリエル獲得か!? 再びノリvs中畑の遺恨勃発
―――NPB

 セ・リーグ各チームが等しく戦ったゴールデンウィーク9連戦。

 その激戦の数々もさることながら、良くも悪くも話題をさらったのがDeNA。

 まずは良い話題は、「キューバ野球界最高の選手」との呼び声も高いユリエスキ・グリエルの獲得を目指していることが発覚。すでに渉外担当がキューバ入りし下交渉を進めているという。グリエルは走攻守に優れた万能内野手で、第1回WBCのベストナイン(二塁手)、第3回WBCでは代表チームの主将も務めた。代表ではオマール・リナレス(元中日)が付けた背番号「10」を継承していることからもその期待の高さがうかがえる。巨人入団が決まったフレデリク・セペダに続く大物の加入となるか、楽しみに見守りたい。

▲ユリエスキ・グリエル(2013WBCにて)


 悪い話題では中村紀洋の言動が「首脳陣批判」と中畑清監督に捉えられ、2軍に懲罰降格。中村は自身のフェイスブックで「(自分が)打席に入っているとき 走者を場面によっては動かさず、打撃に集中させてほしいとコーチに相談させてもらいました」、「コーチに相談することが監督批判になってしまった形です」と書き込んだが、翌日には「この度は、私のフェイスブック上でのコメントにより、お騒がせいたしまして、大変申し訳ございませんでした」と謝罪。中村と中畑監督の間では、一昨年にも同様のトラブルがあった。チームは下位から浮上を目指す最中とあって、それに水を差す事態となってしまった。

京大が23季ぶり勝ち点獲得! 慶大開幕6連勝、亜大は今週にも優勝か!?
―――大学野球

 関西学生リーグで近年善戦を続けていた京都大がついに23季ぶりの勝ち点を獲得した。

 5日〜7日に甲子園球場で行われた京都大vs同志社大。1回戦をドラフト候補・田中英祐の完投で勝利した京都大は、翌2回戦も連勝を狙い、田中を先発に起用し、完投させたが惜敗。これで万事窮すかと思われたが、3回戦で2番手投手の富田真吾が同志社大打線を5安打完封し、3−0と勝利。これで京都大は1982年のリーグ発足以来、初めて同志社大から勝ち点を奪ったことになり、富田の大学初勝利が京都大野球部史に名を残す勝利となった。

 東京六大学リーグでは東大が連敗記録を「74」に伸ばして話題をさらっている一方で、慶應義塾大が開幕から好調をキープ。

 10日の法政大1回戦は最終回で同点に追いつくと、その後、相手失策でサヨナラ勝ち。翌11日の2回戦では、2年生右腕・加藤拓也が圧巻の奪三振ショーを披露。6者連続を含む、自己最多の15奪三振でリーグ戦初完投初完封を記録。5-0と慶應義塾大が法政大を寄せ付けず、連勝で勝ち点「3」。1つの引き分けを挟み、これで開幕6連勝となった。

 東都大学リーグでは駒澤大が先週、國學院大に連敗し、優勝戦線から脱落。6連覇を目指す亜細亜大以外では、自力優勝が残るのは國學院大のみとなった。

 13日から行われている亜細亜大vs拓殖大で亜細亜大が勝ち点を取り、國學院大が青山学院大から勝ち点を落とすと亜細亜大の優勝が決まる。ここで國學院大が踏ん張れば、優勝は最終週(5月27日からの予定)の亜細亜大vs國學院大の直接対決に持ち込まれる。

 6月に行われる全日本大学野球選手権出場を賭けた戦いも全国各地で熱を帯びている。

 中でも大激戦となっているのが関甲新学生リーグ。平成国際大、山梨学院大、上武大、白鴎大が勝ち点「3」で並び、今週末の最終週(5月17日からの予定)ですべてが決まる。勝率で1歩リードする平成国際大が山梨学院大に連勝すれば、すんなりと優勝が決まるが、1敗でもすると優勝争いは混沌としてくる。もう1カード上武大vs白鴎大を含む最終週は栃木県小山市の白鴎大野球場で行われる。

 南東北大学リーグでは東日本国際大が5季連続優勝。北陸大学リーグでは福井工業大が開幕8連勝と他を圧倒し、1カード残して5季連続優勝。神奈川大学リーグでは昨年5位に沈んだ神奈川大が開幕から快進撃を見せ、10勝1敗で2009年秋以来の優勝。愛知大学リーグでは愛知学院大が2012年春以来の優勝。中国六大学リーグでは福山大が2012年秋以来の優勝を決め、それぞれ全日本大学野球選手権出場を決めた。


ダルビッシュ惜しい!ノーヒットノーランならず
―――MLB

 レンジャーズのダルビッシュ有がまたも「あと1人」でノーヒットノーランを逃した。

 9日に地元・アーリントンで行われたレッドソックス戦に先発したダルビッシュは初回から快調に飛ばし、四球すらないパーフェクトピッチングを見せる。7回にヒットと判定されてもおかしくない内外野間に落ちた打球を「ライトのエラー」と判定された幸運もあり、ついに9回2死。だが、ここで打席に立ったレッドソックスの強打者、デビッド・オルティスにライトへヒットを許し、惜しくもノーヒットノーラン達成ならず。12奪三振無失点で3勝目を挙げたが、昨年4月2日のアストロズ戦でも、「あと1人」でノーヒットノーランを逃しただけに悔しい結果となった。

 レッドソックスの上原浩治は11日のレンジャーズ戦で9セーブ目を挙げた。まだ本調子とは言えないようだが、しっかりと仕事を果たしており、低迷していたチームも待望の貯金1となった。


 メッツの松坂大輔は11日のフィリーズ戦で7回から2番手として登板し、2回を無安打3四死球2奪三振に抑えた。ストレートは最速で93マイル(約150キロ)を計時するなど調子を戻してきており、12日から始まるヤンキースとの「サブウェイシリーズ」4連戦の最終戦14日に、田中将大(ヤンキース)と投げ合う可能性もわずかながら出てきた。

 その田中は9日のブルワーズ戦に先発。7回途中7安打2失点で5勝目を挙げた。

 5連勝という成績もさることながら、現在ヤンキースで先発ローテーションを守っているのは、13日に登板が予定される今季2勝の黒田博樹と田中のみ。

 レギュラーではないながらも地道に結果を残すイチローとともに、ヤンキースの今後を日本人選手が担っていると言っても過言ではないだろう。


■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)twitter(@you_the_ballad)


【春のプロ・アマ野球スケジュール】

高校野球春季大会日程

4月19日〜6日間 九州大会 優勝:沖縄尚学高
5月3日〜3日間  四国大会 優勝:明徳義塾高

5月17日〜5日間 関東大会 @横浜スタジアムほか
5月23日〜3日間 東海大会 @小牧市民球場ほか

5月24日〜4日間 近畿大会 @わかさスタジアム京都
5月26日〜7日間 北海道大会@札幌円山球場

5月31日〜3日間 中国大会 @みよし運動公園野球場

6月5日〜5日間  東北大会 @秋田県立野球場「こまちスタジアム」ほか
6月7日〜4日間  北信越大会@富山市民球場アルペンスタジアムほか

春季大学野球リーグ戦日程

5月19日〜 九州地区大学野球トーナメント開幕
※上記以外のリーグ戦は開幕している。

6月10日〜6日間 全日本大学野球選手権

社会人野球日程

6月23日〜4日間 JABA北海道大会 @札幌円山球場ほか

第85回都市対抗野球大会

6月6日〜3日間 北海道2次予選 @札幌円山球場
5月30日〜7日間 東北2次予選 @開成山球場ほか

6月5日〜5日間 北信越2次予選 @ハードオフエコスタジアム
6月4日〜5日間 北関東2次予選 @太田運動公園

6月4日〜6日間 南関東2次予選 @県営大宮公園
5月22日〜6月5日 東京2次予選 @大田スタジアム、神宮球場

5月19日〜6月3日 西関東2次予選 @横浜スタジアム
5月22日〜18日間 東海2次予選 @岡崎市民球場

5月15日〜6月6日 近畿2次予選 @わかさスタジアム京都ほか
6月6日〜7日間 中国2次予選 @東広島アクアスタジアム

6月7日〜2日間 四国2次予選 @鳴門オロナミンC球場
5月31日〜8日間 九州2次予選 @沖縄セルラースタジアム那覇ほか

7月18日〜12日間 都市対抗野球大会


☆プロ野球スケジュール情報★
5月20日〜6月22日 セ・パ交流戦

本誌情報
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