和歌山の有望選手、大会展望
7月11日〜26日(和歌山県営紀三井寺野球場)
智辯和歌山が強力打線で聖地復活を期す
本格派右腕・岡本復活なら海南に夏来るか
投手編
▲岡本真幸(海南)
ケガに泣いた右腕の奮起期待
大会直前のケガでセンバツのマウンドに立てなかった岡本真幸(海南)だが、最速141キロのストレートには伸びがあり、将来性を感じさせる本格派右腕。昨秋の近畿大会ではセンバツ準優勝の履正社を相手にストレートで押す投球を見せ、一気に株を上げた。打撃センスにも長け、思い切りのいいスイングを見せる。ケガの回復次第だが、ラストサマーに向け、現在は急ピッチで調整中。
智辯和歌山は、東妻勇輔がセンバツで144キロをマークしたストレートに加え、昨夏から練習してきたスライダーにも磨きがかかった。ケガを経てつかんだエース番号をつけて最後の夏に挑む。同じくセンバツで好投した齋藤祐太は、春の和歌山東戦で一カ月ぶりに公式戦マウンドに立ったが、序盤に失点しながら後半は変化球を低めに集めて無安打に抑えた。
中芝優真(和歌山工)は1年生からマウンドに立つ経験豊富な好右腕。キレのあるストレートと変化球を制球よく投げ分け、小柄ながらセンスの高さを感じさせる。
有園健人(伊都)は、球速は140キロ前後ながら伸びのあるストレートが武器だ。
安定感なら貴志弘顕(桐蔭)。伸びのあるストレートと多彩な変化球が持ち味で、ピンチでも冷静なマウンドさばきを見せる。
打者編
▲片山翔太(智辯和歌山)
パワーヒッターが名を連ねる
好打者が揃う智辯和歌山。中でもセンバツで実力の片鱗を見せたのは片山翔太。コンパクトなスイングから放つ打球には伸びがある。チャンスにも強く、確実性を兼ね備える。同じくセンバツで好投手・岸潤一郎(明徳義塾)からホームランを放ち潜在能力をアピールした山本龍河。下半身を使った打撃はセンスの高さを感じさせる。それを生かすためにも守備力に磨きをかけたい。同じ2年生の春野航輝は、一冬越えてレギュラーまで登りつめたパワーヒッター。しっかり振り切れるスイングから力強い打球を飛ばす。長壱成は最近捕手での出場が多いが、昨年以降他のポジションを経験してから視野が広くなり、打撃センスにも磨きがかかった。チャンスに強い打撃で不動の4番に座る。
近大新宮も見逃せない。嶋本慎太郎は地肩が強く、パワフルなスイングで長打を量産する。この春はやや不調だったが、「夏にはきっちりと調整してくれるはず」と吉田嗣男監督からの信頼は揺るぎない。東原大志は広角に打ち分けられる打撃センスだけでなく、選球眼のよさが光る。俊足を駆使した走塁にも目を見張るものがあり、チャンスメークに長けている。この春3番を務めた東祐希は球をとらえる能力は県内トップクラス。長打より鋭い打球をしぶとく飛ばす“安打製造機”タイプだ。
岡本悠佑(日高中津分校)は、シャープなスイングだけでなく、俊足を生かした果敢な走塁と守備範囲の広さにも定評がある。
林克明(海南)は、センバツでは無安打だったが、恵まれた体から遠くに飛ばすパワーには底知れぬ能力の高さを感じる。
その他、強肩とスイングスピードの速さが特徴の椎葉雅人(高野山)、投打にわたってセンスの高さを見せる新谷凌佑(紀北農芸)の“ニ刀流”ぶりにも注目したい。
大会展望
本命の智辯和歌山に海南が追撃
智辯和歌山が頭一つ抜けている。センバツでは初戦で惜敗したが、上位に進出してもおかしくない打力を見せつけた。その強力打線は元気で、昨秋ケガで戦列を離れていた左腕の齋藤が完全復帰したことも大きい。海南はエース岡本のケガの回復次第で、この夏どこまで投げられるかがカギとなる。今春1年生が多くベンチ入りした箕島の戦いぶりにも注目だ。近大新宮、高野山などにも力があり、昨夏の智辯和歌山のように “よもや”の事態が起きれば、大暴れする可能性も。