岡山の有望選手、大会展望
7月14日〜27日(倉敷マスカットスタジアムほか)
おかやま山陽の快腕・藤井評は赤丸印!
右の頓宮、左の小郷の長打力対決も必見
投手編
▲藤井皓哉(おかやま山陽)
大粒の実が成るマスカット
マスカットスタジアムに大粒の実が成ろうとしている。昨秋までは知る人ぞ知る存在だった藤井皓哉(おかやま山陽)が、今春の快投でスカウトの評価は赤丸急上昇だ。最速145キロのストレートはズドーンと打者に襲いかかるような迫力があり、ピンチにも動じないふてぶてしさからも、ただ者ならぬ雰囲気が漂う。
大粒の実といえば、187センチ右腕・末永海人(創志学園)からも目が離せない。今春は雨中の準々決勝で関西に集中打を浴びて涙をのんだが、長いリーチを生かした高角度の球筋はさらに勢いがアップ。徐々に視野の広い投球術も覚え始めており、夏の最盛期に向けて準備は整いつつある。
関西は、野手としても注目の143キロ左腕・逢澤峻介の安定感が格段にアップ。左腕からのチェンジアップが光る田中雅之、威勢のいい1年生右腕・小郷賢人らも頭角を現しており、ともに140キロ超の球速を叩き出すなど、投手陣に厚みが出てきた。
春の岡山大会準決勝で競演した左右両輪も面白い。うなるようなストレートで強打の岡山理大付を5安打完封した右の福田通崇(倉敷商)、破壊力ある球で攻めまくる左の小寺兼功(岡山理大付)は、ともに投げっぷりが見事ではまればとんでもない快投もあり得る。
そのほか、角度のある球をテンポよく投げ込む家森雄誠(玉島商)、サイドハンドからキレで勝負する水川友妥(岡山城東)は、ともに打たせて取るタイプ。逆にほどよい荒々しさがいい2年生右腕・宮崎翔(倉敷)、球に勢いがあるパワフル右腕・堂前仁貴(作陽)も面白い存在で、それぞれの持ち味にも期待が高まる。
打者編
▲頓宮裕真(岡山理大付)
凄みを増した左右の強打者
晴れの国おかやまの大地で養分を蓄えた左右の強打者が凄みを増している。右の頓宮裕真(岡山理大付)は、3月上旬の練習試合で2試合連続弾をマーク。うち1本は推定140メートル級の圧巻弾を左中間にぶち込んだ。地を這うような猛送球に加え、扇の要としての役割も著しく進化を遂げており、勢いは止まりそうにない。
左の筆頭株は、今春から4番に座る小郷裕哉(関西)だ。今春の芳泉戦で2打席連続弾をマークし、4月末現在で高校通算27本塁打とここへきて迫力がアップ。本人は「本塁打は狙っていない」というが、ライナー性の弾道がグングン伸びてスタンドインする。さらに関西には、投手を兼任する切り込み隊長の逢澤峻介、ハードパンチャー・土井慎二など、高い潜在能力を持つ逸材がひしめく。
今春、マスカットスタジアムの左中間へ圧巻弾を放った申瓊鉉と強烈なスイングが際立つ中野智隆の岡山県共生コンビは旧チームから主軸を担っており、他校も厳重に警戒している。
ほかにもインパクトの強いスイングで昨秋から本塁打を量産する菅野哲平(創志学園)、機敏な動きで名門を引っ張る天才肌の遊撃手・上川畑大悟(倉敷商)、巨漢ながら豊富な運動量を誇る秋田宙(興譲館)、勝負強い打撃に定評がある中藤奨悟(金光学園)らは、それぞれの持ち味で観客の視線を釘づけにすることだろう。
大会展望
戦力充実の関西を追走するのは?
春の王者・関西に勢いが出てきた。小郷、逢澤ら甲子園経験者が残り、もともと攻撃力に定評があったが、「春は継投でいく」(江浦滋泰監督)と投手陣を競わせたことで、さらに戦力が充実してきた。秋の王者・創志学園、春ベスト4のおかやま山陽は、ともにプロ注目の投手を擁しているだけに、いかに打線が援護できるかがカギになりそう。さらに秋春連続で岡山大会準Vの倉敷商、タレントが揃う岡山理大付らも投打のバランスがとれており、抜け出す力はある。