福原忍(阪神)が引退。〜常に「感謝」の気持ちを忘れなかった18年〜
最後の3球はすべてストレートだった。
2016年10月1日、甲子園球場。
阪神タイガース・福原忍のプロ18年間の締めくくりとなるマウンドには、広陵高の先輩でもある、金本知憲監督が待ち受けていた。
「思い切って投げろ!」
金本監督から手渡されたボールで全力を込めたストレートは、甲子園球場の電光掲示板に143キロと表示された。全盛期には150キロ台を誇ったストレートは影を潜めていたが、真剣勝負で望んだ立岡宗一郎(巨人)を気持ちで左飛に打ち取った。
“豪球で打者をねじ伏せる!”
“常に表舞台のヒーロー!”
福原の野球人生は、そんな華々しいものでは決してなかった。