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走りだした未来のホープたち! キャンプの時こそ応援したいルーキーたち〜セ・リーグ編〜

 キャンプが始まり、早くも1週間が経過。野球ファンにとっては、野球のニュースが増え、ワクワクする毎日がやってきた。

 『週刊野球太郎』では先週に引き続き、キャンプで練習に励む「がんばる選手を応援する週刊キャンプレポート」をお送りしよう。

 キャンプで毎年注目されるのは、各球団の新人選手たち。右も左も分からないプロの世界の門を叩いた彼らは、なんとかついていこう、という気持ちで毎日の練習をこなしている。今回はそんな応援したくなる新人選手を、ランキング形式で紹介しよう。

友永 翔太
――中日ドラゴンズ

 ドラフトで指名した大学生・社会人9人の内、8人が1軍スタートとなった中日。それぞれの選手たちが新たな刺激を生んでいる中で、いま最も注目を浴びているのが、新人の中で最も小さい170センチの友永翔太だ。

 まず、その資質の高さが発揮されたのが視力検査。「高速道路で横を走ってる車のホイールを見て柄がわかります」という動体視力は福留孝介級(阪神)のいい数字だった。キャンプイン以降も、走って、守って、打って、アピールを続けると、谷繁元信兼任監督も「トータル的に見ても、ほぼ全て兼ね備えている。大島もうかうかしていられないでしょう」と昨シーズン186安打を放っている大島洋平と同レベルの評価をしている。大島を押しのけ、開幕スタメンの可能性もあるかもしれない。

▲社会人(日本通運)時代の友永翔太

飯田 哲矢
――広島東洋カープ

 ドラフト1位の野間峻祥とともに1軍メンバー入りをしているドラフト6位・飯田哲矢の評価が急上昇中だ。エース・前田健太、新人王コンビの大瀬良大地、野村祐輔に、復帰した黒田博樹。中継ぎ・抑えでも、挙がってくる名前は右投手が多い広島において、左腕・飯田にはなんとしてでも活躍してほしい。

 初日からブルペン入りし、ストレートに変化球にキレのあるボールを投げ込んでいた。6日のフリーバッティングで登板した際には、ボールの出所が見にくく球速以上の速さを感じさせるストレートに、チェンジアップも有効なボールとわかり、実戦でより生きるタイプと首脳陣は期待を寄せる。ザガースキーが、恵方巻きを食べた翌日に右足首を痛め離脱しただけに、飯田の存在は大きなものになりそうだ。

高橋 由伸
――読売ジャイアンツ

 2軍スタートながらも、多くの評論家、そして原辰徳監督も練習場に足を運ばせるドラフト1位・岡本和真。打撃においては高い評価を受けていることから、お試しで1軍の練習に参加した。ドラフト2位の戸根千明もブルペンに入るたびに、実戦で使えると評価を上げている。そして、先日は400勝投手・金田正一氏が「あの“だるまさん”は面白い」と“あっぱれ”を送った。

 そんな新人選手たちが奮闘している中、選手兼任コーチの「新人」である高橋由伸も慣れないポジションながらも、その姿は生き生きしている。原監督も「コーチ兼任という役割が、彼の中で選手・高橋由伸に追い風を与えているように感じるよ」とコメントを残している。教える立場になり、なにか技術的に思い出すことがあれば、好成績につながるはず。こちらの「新人」にも期待したい。


山? 康晃
――横浜DeNAベイスターズ

 初のフリーバッティングでは、はやくも143キロを計測したDeNAのドラフト1位・山?康晃。その投球だけではなく、「1年目じゃない落ち着き。実戦向きだね」と所作もいいと中畑清監督は評価した。

 極度に三塁側に足を踏み込むクロスステップが持ち味の山?は、プロではフォームの矯正が入る可能形も懸念されたが、1年目は静観されるようだ。むしろ、現在はこのステップでいい球を投げ込むということで、馬力がある投手という評価もなされている。OBの佐々木主浩氏いわく「疲れが溜まってきた時に、右打者の外角にしっかり投げ込めるかがカギ」。これからのオープン戦だけではなく、シーズンを通して、山?の投球を見る時には、「右打者の外角」に注目していきたい。

石崎 剛
―――阪神タイガース

 阪神はドラフト1位の横山雄哉が左胸鎖関節の炎症と診断され2軍スタートとなったものの、先週、紹介した3位の江越大賀と2位の石崎剛は元気に1軍でアピールしている。石崎は臨時コーチと務めた江夏豊氏から「フォームが面白い。右打者は『ボールが抜けて当たるんじゃないか』と恐怖を感じる」と絶賛された。福原忍、安藤優也ら、中継ぎ右腕は正統派のフォームが多いだけに、変則型の石崎が割って入ると、大きな戦力になるだろう。

竹下 真吾
――東京ヤクルトスワローズ

 新人で1軍キャンプに帯同している選手がそこそこいるものの、ヤクルトだけは全員が2軍スタートとなった。昨年の杉浦稔大が、がんばりすぎて右ヒジ靭帯のケガにつながったことから、このような措置をとったとのことだ。

 と言いつつも、投手陣が崩壊して2年連続最下位である状況から、投手では1人でも多く、1軍の戦力になってほしいところ。1番手として挙がるのは、やはりドラフト1位の竹下真吾だろうか。2軍スタートでも、すでにブルペン入りし、2月の中旬には昇格するようだ。石井一久級と真中満監督が評する140キロ後半のストレートは、ヤクルト投手陣の救世主となれるか?


 首脳陣はもちろん、同じチームの選手たちにも注目される新人選手。キャンプでは多くの経験を積んで、いいプロ野球選手生活を送ってほしい。

(文=編集部)

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