カープ女子のみなさん、前田智徳はおもしろいおじさんじゃないんです。スゴい侍だったんです
時はオールスターゲーム。某放送局のTwitterで、同局の解説者を務める広島OB・前田智徳のつぶやきが配信されていた。
このつぶやきからは、和やかな放送席の様子やオンエアの裏側が垣間見ることができ、なかなか秀逸だった。特に前田のコミカルな一面には思わずにやけてしまう。ファンならずとも一見の価値はあるだろう。
そんなつぶやきをニヤニヤしながら見ていると、スマートフォンを覗き込んできた妻がこう言った。
「このおじさんおもしろいよね」
筆者は一瞬、我が耳を疑った。
「このおじさん? おもしろい?」
侍、孤高の天才と称され、選手生命の危機に瀕する大ケガを幾度も負いながら復活し、神とまで言われたあの前田。それを、おもしろいおじさん扱いとはなんたる事だ……。
一瞬、頭に血が上りかけたが、冷静に考えると妻の発言には納得がいく。というのも、妻が広島を応援するようになったのは、前田の引退後だからだ。今や妻は、筆者よりも早く情報を入手し、打率20傑を記憶しているほど野球通だが、現役の選手以外の知識はないに等しい。
生で勇姿を見ていないのだから、コミカルな前田を見て、ひょうきんだと思うのは至極当然。となると、近年の躍進で広島ファンになってくれた若い世代は、妻同様に前田の偉大さを知らない方が多そうだ……。
そこで筆者は思う。これから先何十年と、広島を応援してもらわなくてはならない若い世代が、前田の偉大さを知らずに応援し続けていくのは避けたい。そして、ひょうきんではない前田のことを知ってほしい。
さすれば、前田が監督として復帰することがあったときは、しっかりと感情移入できるはず。今回は前田のスゴさを若いファンの方々にご教授させていただきたい。