2017年、岩田稔(阪神)が子どもたちのために野球人生最後の復活にかける!
2016年9月10日ヤクルト戦、神宮球場のマウンドに自らをコントロールできない岩田稔がいた。
7回裏から登板した岩田は、ヤクルトの先頭・川端慎吾を遊ゴロに打ち取ったものの、山田哲人にこの日3本目となる本塁打を右翼席に叩き込まれ、完全に歯車が狂いだす。
この回、1四球を挟み4連打を浴び、4失点の大乱調。岩田にとっては、久々に1軍登録された日に起こった悪夢であった。
開幕からローテーションの4本柱の1人として金本知憲監督に期待されていた昨シーズン。最低でも2桁の勝ち星が岩田には課せられていた。
しかし、ふたを開けてみれば、4月27日の巨人戦で3回1/3、6失点で信頼をなくし、翌日に降格されてから2軍暮らしが続いた。
2013年にも岩田は不調を極めたことがあった。シーズンオフに米国に渡り、TRX(体幹をキープしながら他の動きも連動させるためのトレーニング法)を習得し、2014年は見事に復活を遂げた。
しかし、2016年、重心をより低く置き、低めを意識して攻める投球フォームが崩れ、出口の見えないトンネルに迷い込んだまま1年が過ぎていった。