王貞治監督が指揮した14年をともに過ごした唯一の男・本間満が体験した“王貞治”と日本一
プロ野球のOBたちに現役時代のエピソードとユニフォームを脱いでからの第2の人生に迫る『プロ野球選手だった男たち 〜あの日々、そして第2の人生〜』。1人目のプロ野球選手OB(全4話連載)はダイエー、ソフトバンクで15年間に渡り“陰日向にチームを支えるプレー”を見せたユーティリティープレーヤーの本間満氏が登場。本間氏は王貞治監督(当時)が指揮を執った14年間をともにした唯一の選手としても知られている。
現在、本間氏はリーフラス株式会社に所属。3歳から小学生までのちびっ子球児を指導する野球教室を中心に、野球界の裾野を広げるべく“野球の楽しさ”を伝える日々を過ごしている。取材に訪れたのは2018年1月。BBC(ベースボールコミュニケーション)に特別講師として招かれ、高校入学を間近に控えた中学3年生たちに神宮球場室内練習場で守備の指導を行っていた。第3話は、王貞治監督が率い、球界きっての強者揃いのダイエーが日本一へ駆け上がっていく渦中の話を語ってもらった。
1988年11月に南海ホークスを引き継いで誕生した福岡ダイエーホークス。1995年から王貞治監督が就任し、常勝・ホークスへの歩みが始まった。ただ、秋山幸二、工藤公康がFAでダイエーに移籍し、小久保裕紀、城島健司、井口資仁、松中信彦ら後の球界を背負うスター選手が入団するものの、選手個々の力がなかなか噛み合わず、その歩みは順風満帆なものではなかった。
1996年のシーズン序盤には、9勝22敗の不調に憤慨したファンが王監督と選手の乗ったバスに生卵をぶつける騒動も……。そんな“生みの苦しみ”を経て、1999年についに日本シリーズを制覇。初の日本一に上り詰めた。“常勝チームへの道のり”を見てきた本間満氏に当時のホークスについて、また王監督について聞いた。