【2015夏の高校野球】《沖縄観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド
6月20日〜7月19日(沖縄セルラースタジアム那覇ほか)
中部商・前田ら無名の快腕続々頭角現す
2強形成する糸満と興南に好選手が揃う
☆★☆ 投手編 ☆★☆
●成長する無名の好投手
今年の沖縄は例年以上に無名の好投手が揃う。特に今春以降に成長を見せた好素材が多く、その代表格が本格派右腕の前田敬太(中部商)だ。184センチの恵まれた投手体型から繰り出される伸びのあるストレートは、球速以上に威力があり、球質は抜群だ。フォークなど変化球が精度を増せば、手がつけられなくなるだろう。
與那原大剛(普天間)は187センチの長身から投げ下ろすストレートが魅力の大型右腕。センバツ出場校・糸満の右腕エース・金城乃亜も好素材だ。身体的なポテンシャルが高く投球センスもよい。 内間敦也(コザ)は沖縄高校野球界の速球王だ。ガッチリした体格の右腕は、上背こそないが、力強いフォームから放つストレートは常時140キロ台を叩き出す。富田敦己(読谷)も140キロ台のストレートが光る速球派右腕だ。
右腕の久田真輝(美里工)は、小柄ながら投球術に長ける好投手。神里廣之介(沖縄尚学)は、スライダーを中心としたコンビネーションが武器の好右腕。松川竜之丞(宮古)も、多彩な変化球とキレのあるストレートを持つ好右腕だ。
左腕では天久太翔(浦添商)がピカイチ。トルネードから気迫ある投球で魅せる小さな大投手だ。同じく左腕の中真慶大(首里)も球種が豊富で安定感がある。
2年生では比屋根雅也(興南)が頭角を現した。柔らかいフォームの左腕は特殊な軌道の球筋が持ち味だ。春季県大会で10連続三振の快投を演じると、九州大会でも福岡工大城東相手に18奪三振。今や沖縄ナンバーワンの好投手だ。
▲前田敬太(中部商)
☆★☆ 打者編 ☆★☆
●糸満・興南勢に要注目
今春のセンバツ出場校・糸満と春季県大会優勝の興南に好選手が揃う。中でも池間誉人(糸満)は沖縄屈指の野手として評価が高い。全身バネのような身体能力に加え優れた判断力を持ち、遊撃の守備では予測不能なビッグプレーを見せる。打撃でも抜群の長打力でチームの核弾頭を務める。池間と二遊間を組む俊足・岡田樹も野球センスはレベルが高く、攻守に器用な選手だ。同じく糸満の大城龍生は圧倒的運動能力と恵まれた体格を有する俊足強打の外野手で、バットコントロールもよい。
佐久本一輝(興南)は沖縄屈指の好捕手で、軽やかなフットワークとリードセンスの高さでうならせる。興南の一塁手・喜納朝規は下級生の頃から主軸を打つ大型スラッガー。長いリーチを生かし広角に長打を放つ打撃が魅力だ。
興南の二遊間、仲響生と比嘉龍寿も面白い。軽快な守備で魅せる仲と、強肩で守備範囲の広い比嘉のプレーは一見の価値あり。主将も任される比嘉は打撃でも勝負強い。同じく興南の俊足外野手・砂川謙斗は、思い切りのいい強打が目を引く切り込み隊長だ。
昨年、春夏の甲子園でも活躍した中村将己(沖縄尚学)は攻守にセンスのいい遊撃手で、50メートル5秒8の快足は圧巻だ。
2年生ではタイシンガー・ブランドン・大河(石川)と仲西莉音(沖縄尚学)が目を引く。いずれも大型で将来性の高い強打者だ。具志堅大輝(興南)も2年生ながら、名門の中心打者としてあふれんばかりの才能を発揮している。
▲池間誉人(糸満)
☆★☆ 大会展望 ☆★☆
●興南・糸満の2強が他をリード
春季県大会優勝の興南が第1シード、春季九州4強でセンバツ出場校の糸満が第2シードとなるが、実力でもこの2校が他をリードする。興南は2年生左腕エース・比屋根を中心に選手層が厚く、糸満は総合力が高い。第2グループの美里工、中部商、浦添商は好投手を擁する。昨年の代表校・沖縄尚学は小粒になったが安定して強い。第3グループの宜野座、石川、前原、嘉手納、コザも投打に力強く、春準優勝の宮古には勢いがある。読谷、普天間、首里、豊見城も楽しみだ。
地区勢力ピラミッド