【高校野球】U-18ワールドカップ、“野球途上国”の奮闘記
9月6日に幕を閉じた、第27回WBSC U-18ベースボールワールドカップ。地元開催で大会初優勝を狙ったU-18侍ジャパンは決勝でアメリカに敗れ、2大会連続の準優勝に終わった。若き侍たちの戦いぶりに興奮した人は多いだろうが、一方で野球がポピュラーとは言い難い“野球途上国”の奮闘ぶりも見られた。
◎サッカー大国が生んだメジャーリーガーの卵
サッカー大国として知られるブラジルは、日系移民の働きにより野球も旧くから普及されてきた。ただ、トップクラスで勝負できる選手が出てきたのはここ20年ほどだという。
今大会で最も可能性を見せたのは、ガブリエル・マシエル外野手だ。マシエルは不動の1番・センターとして、チームをけん引。シャープなスイングで野手の間を抜く打撃も魅力だが、やはり一番の武器は高い運動能力から来る守備だろう。
マシエルは侍ジャパンとの開幕戦でも、実力を遺憾なく発揮した。初回に矢のような送球で勝俣翔貴(東海大菅生高)の本塁突入を防ぐと、続く2回には平沢大河(仙台育英高)が放った左中間への当たりを飛びつくようにキャッチ。いずれも失点を阻むビッグプレーとなり、多くのファンを驚かせた。
既にシアトル・マリナーズとマイナー契約を結んでいるというマシエル。もしかしたら、数年後にセーフコフィールドを駆け回っているかもしれない。