九州地区の注目選手、出場校紹介
<九州地区・センバツ注目選手紹介>
大竹 耕太郎
済々黌高校 新3年/投手/左投左打/182センチ73キロ
ここに注目ベスト3
1.「相手打者を幻惑させるテクニック」
2.「球速以上に伸びるストレート」
3.「スナップスローなどの守備センス」
どんな選手?/中学時代は全中、昨夏は甲子園を経験している大会屈指のサウスポー。天性の投球メカニズムともいえる上下連動から「ここに投げたら…というイメージが感覚でできる」というテクニシャンだ。新チーム結成後は徐々に調子を上げてきたとはいえ、県大会1回戦の7回17奪三振を皮切りに4試合連続二ケタ奪三振をマーク。昨夏までは投げなかったチェンジアップなどの新球に磨きを掛けるとともに、九州大会では最速140キロという大台にも到達した。
一冬を越えてここに注目!/昨夏は大阪桐蔭相手に3本塁打を浴びた。当時の体重から約10キロアップし、球速的にも期待できるが、「柔能く剛を制す」でスタンドを沸かすことだろう。
プロ選手で例えたら…和田毅(オリオールズ)
大野 拓麻
創成館高校 新3年/投手/右投右打/177センチ70キロ
ここに注目ベスト3
1.「気迫あふれるピッチングスタイル」
2.「内角を激しくえぐるストレート」
3.「低めの変化球」
どんな選手?/1年秋から3季連続で九州大会のマウンドに立つ実戦派右腕。昨秋の九州大会では、各県の1位校を次々となぎ倒すなど、3試合連続完封をやってのけた。その大きな成長要素として挙げられるのが、気迫を前面に出すというピッチングスタイルを確立したこと。昨秋、長崎大会屈指の好カードといわれた準々決勝の清峰戦では、中盤に小刻みに点を奪われるも、気迫のピッチングで攻め続け、チームの逆転勝利を呼び込んだ。
一冬を越えてここに注目!/バランスのいいフォームだけに、冬の体幹アップでストレートの威力が増してきた。あとは緩急、テクニックに磨きを掛ければ、“春の快投”は十分にあり得る。
プロ選手で例えたら…田中将大(楽天)
知念 佑哉
沖縄尚学高校 新3年/外野手/右投左打/166センチ63キロ
ここに注目ベスト3
1.「脅威となるスピード」
2.「アクロバッティックな外野守備」
3.「小技」
どんな選手?/中学時代は、野球と陸上の二足のわらじを履き、陸上400メートルリレーで日本一に輝いたスピードスター。その身体能力を活かしたアクロバティックなプレーが最大の魅力で、小柄ながら走攻守に高いレベルを誇る。ヒッティングかそれともセーフティーか。リズミカルな打席から時折、見せる「バントするぞ」の構え、それでいて当てにいかずに安打が打てるセンスは秀逸だ。5打数4安打と打ちまくった神宮大会では、センターからの猛返球でも観客をうならせた。
一冬を越えてここに注目!/相手チームにとって脅威の2番打者も、昨秋は39試合で6盗塁。50メートル走5秒9という快足の持ち主にしては盗塁数が少ない。春はどんどん仕掛けていきたい。
プロ選手で例えたら…松本哲也(巨人)
小島 正直
創成館高校 新3年/内野手/右投右打/177センチ72キロ
ここに注目ベスト3
1.「野性味あふれる身体能力」
2.「インパクトの強さ」
3.「どんな球にも食らいつけるスイング」
どんな選手?/まさに隠し玉。離島の対馬出身で、もともと身体能力は高かったが、中学に野球部がなく、地域の軟式クラブに所属するも練習は週2回程度だった。高校入学後は、豊富な練習と地道な努力もあって、ここへきて一気に頭角を現してきた。「本当に6番打者の打球なのか!?」と思わせるほどのインパクトの強い猛打球、これがどんどん進化している。しかも、どんな球に対しても食らいつこうとする勝負根性があるからこそ、面白い。
一冬を越えてここに注目!/打撃はもちろんのこと、強靭な脚力と強肩を活かした三塁守備の精度もアップ。野性味あふれる隠し玉が、今度はどんな進化をみせてくれるのか。春が待ち遠しい。
プロ選手で例えたら…渡邊雄貴(DeNA)
<九州地区・センバツ出場校紹介>
沖縄尚学高等学校(沖縄県) 監督・比嘉 公也 主将・諸見里 匠
秋季沖縄県大会:準優勝 九州大会:優勝 明治神宮大会:2回戦
どんな高校?/1999年にセンバツ優勝投手となった比嘉公也が監督となり、08年に再び紫紺の優勝旗を手にしている。昨秋は沖縄大会決勝で敗れるも、キレ抜群の左腕・比嘉健一朗、速球派右腕・宇良淳というタイプの違う二枚看板を軸に堅守と粘り強さで、九州大会を制した。チームの身上は粘り強さだが、諸見里匠、知念佑哉の1、2番コンビが起点となり、ハードパンチャーの名嘉昇司と柴引佑真らが返すという電光石火の得点パターンも見逃せない。
済々黌高等学校(熊本県) 監督・池田 満頼 主将・中川 洸志
秋季熊本県大会:準優勝 九州大会:準優勝
どんな高校?/2季連続の甲子園出場となるが、春は優勝した1958年以来55年ぶり。前回は王貞治を擁する早実を破るなど、快進撃の優勝だった。大会屈指の左腕と呼び声が高い大竹耕太郎を始め、俊足巧打の中川洸志、一塁手から捕手にコンバートされた安藤太一の主力3人は、昨夏の甲子園でもスタメンを張っており、心強い存在だ。各打者がコンパクトな振りを徹底し、お家芸である小技を絡めた多彩な攻撃パターンで、相手守備陣を撹乱する。
創成館高等学校(長崎県) 監督・稙田 龍生 主将・木下 敦紀
秋季長崎県大会:ベスト4 九州大会:ベスト4
どんな高校?/悔しさをバネに悲願の甲子園初出場。一昨年秋の九州大会で、準決勝にコマを進めながらもコールド負けが響き、昨年はセンバツ切符を逃した。昨秋の九州大会でも準決勝でコールド負けしたが、エース右腕・大野拓麻を軸に3試合連続完封勝利をあげたチーム力が大きく評価された。チームとして守りへのこだわりも強いが、1年夏から主軸を任される4番捕手の坂井陸を始め、各打者のスイングは鋭い。昨年の分まで暴れる準備は着々だ。
尚志館高等学校(鹿児島県) 監督・鮎川 隆憲 主将・新原 晃太
秋季鹿児島県大会:準優勝 九州大会:ベスト4
どんな高校?/26名の部員すべてが地元出身で、大隅半島から春夏通じて初の甲子園切符をつかんだ。その原動力は、打ちだしたら止まらない攻撃力。「1試合6点以上」という目標を掲げ、練習の7、8割は打撃に費やす。昨秋に5本塁打をマークした4番の今吉浩平を中心にムラなく点を取れる打線は、相手にとって脅威だ。多少、ディフェンス面に課題を残すが、エース吉国拓哉も強気に攻めるタイプだけに、春の聖地でも束になって攻めまくる。
■プロフィール
アストロ/1973年生まれ、徳島県出身。熊本を根城とし、九州全域はもとより中国 地区まで渡り歩き有望選手を探す。大学時代は軟式野球部の監督兼選手として全国準V。