キャンプ終盤! この時期だからこそ、応援したいベテラン勢〜セ・リーグ編〜
先週土曜日にはオープン戦が開幕。すでにキャンプを打ち上げた球団もあるなど、いよいよキャンプも終盤戦に突入している。
この時期、ようやくスポーツ紙などに登場するのが、各球団のベテラン選手たち。マイペースでの調整を任されている彼らは、キャンプ終盤になってジワジワとその存在感を発揮しはじめる。今回はそんなベテラン選手たちを、ランキング形式で紹介しよう。
黒田博樹
――広島東洋カープ
今季、セ・リーグのベテランのなかで、注目度No.1といえば黒田博樹で間違いない。8年ぶりに日本球界に復帰した黒田は、18日に沖縄2次キャンプに合流。早速、ブルペンに入るなど、精力的な動きをみせている。
主なメジャー帰りの先発投手の復帰1年目の成績は、必ずしも全員が好成績を収めていると言うわけではない。2003年にエクスポズからオリックスへ復帰した吉井理人は、2勝7敗と期待外れ。2006年にメッツからヤクルトへ復帰した石井一久は11勝7敗と及第点。もっとも活躍したといえるのが、2003年にレンジャーズから阪神に復帰した伊良部秀輝の13勝8敗だろう。
思い返してみると、伊良部が阪神に入った2003年、阪神は18年ぶりにリーグ優勝を成し遂げた。黒田は果たして、個人成績としても、チーム成績としても伊良部を超えるような活躍ができるか? 引き続き、注目したい。
▲黒田博樹/写真は2007年時
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長野久義
――読売ジャイアンツ
今キャンプ、あまりその姿を報じられないベテランがいる。昨季セ・リーグチャンピオンチーム・巨人の外野の一角を担っていた、長野久義だ。
大卒社会人からドラフト指名を受けたので、プロでの年数は少ないほうだが、今年もう31歳。昨年オフに手術した右ヒジと右ヒザの状態をみながら、今キャンプは2軍スタート。懸命のリハビリに励んでいる。2月24日の第5クールからようやく、本格的なベースランニングを開始するまでに回復した長野には、熾烈な外野争いが待ち受けている。
オープン戦序盤から結果を出している大田泰示や橋本到、亀井善行や松本哲也らの現有戦力はもちろん、2月23日に支配下登録され、勢いにのる堂上剛裕やFA移籍の金城龍彦らの新戦力組との競争にも勝たなければならない。さらにセペダや高橋由伸らのベテラン勢も、ズラリと勢揃い。
オープン戦後半から開幕に向けて、長野の動向に注目したい。
三浦大輔
――横浜DeNAベイスターズ
もはやDeNAのみならず、セ・リーグを代表するベテラン投手といっても過言ではない三浦大輔。プロ24年目のシーズンを迎えた。
今季、実戦初登板となった22日のサムスン(韓国)との練習試合では、2番手で登板。1回を4安打3失点と打ち込まれてしまった。しかし、大ベテランは「今日は打者と対戦できたことが収穫」と余裕のコメント。中畑監督も「(シーズン)初登板は失点するのが『三浦式』だから」と全幅の信頼を置いている。
昨季も勝利を挙げ、プロ2年目の1993年から22年連続勝利中の三浦。今季も勝利して、23年連続勝利と記録を伸ばしてほしい。ちなみに、打っても22年連続安打を継続中である。
田中浩康
――東京ヤクルトスワローズ
再度、スタメン定着に向けて、必死なベテラン選手もいる。かつては二塁手としてレギュラーの座についていた田中浩康は、左翼手の守備位置定着を狙い、懸命にアピールを続けている。
22日の日本ハムとのオープン戦では、6番左翼手でスタメン出場。2打数1安打、二塁打を放つなど元気なところをみせた。
昨季は山田哲人のブレイクで、代打起用が64試合、スタメン出場が11試合に留まった。代打率.233と、いままでスタメン出場が多かった選手だけに、代打の難しさも感じているだろう。真中満新監督を迎えた今季こそ、チャンスをモノにしてほしい。
福原忍
―――阪神タイガース
こちらもやや心配なニュース。阪神の投手陣を支える福原忍が、21日に右足内転筋挫傷のため、沖縄キャンプを離脱。帰阪して自宅治療を行うと報じられた。
プロ17年目、39歳になるベテラン右腕は、チームにとって必要不可欠な存在。果たして開幕までに間に合うか、注目していきたい。
岩瀬仁紀
――中日ドラゴンズ
ベテランといえば、自らのコンディションとの戦いも待っている。昨年の8月に左ヒジの故障で離脱した影響が今も残っており、キャンプ序盤から、調整ペースが思うように上がっていない。検査を受けるため19日には名古屋に帰り、再び20日にはキャンプに再度合流するも、当日はボールを握らず別メニュー。
入団以来17年連続の開幕1軍や、まだ継続中の連続記録の更新も期待が懸かる今季。焦らずに調整を進めてほしいが、試合で投げられる状態に戻ってこないと、岩瀬自身のクビがかかるシーズンになってしまうかもしれない。
メジャー帰りのベテランをはじめ、コンディション調整に余念がない者、生き残りを懸ける者など、様々なベテラン選手たちを、今シーズンも応援しないわけにはいなかいだろう。
(文=編集部)