7月9日〜28日(Koboスタ宮城ほか)
東陵が春の県大会を制し展開が読めない
東北&仙台育成、2強の調子はどうだ?
●多様な投手が揃う仙台育英
仙台育英のコマが揃っている。絶対的エースは不在だが、バラエティーに富んだ将来性豊かな投手が多い。中島隼也はスピードある直球の質は県内屈指。完璧を求めるがゆえに制球さえ乱さなければ十分、勝てる要素を持っている。身長193センチの鈴木俊介も一冬で力強さが増し、野手兼任の熊沢来夢はテンポよく相手打線をねじ伏せられる。腰痛が再発し、春の大会でベンチを外れたエース・大崎柊野に代わってベンチ入りした長谷川拓帆は重い直球が武器の左腕。遊撃手の西巻賢二もコーナーを突いた投球ができる。
東北も春に投手陣が充実した。昨秋のエース左腕・深町耕佑が不調で不安視されていたが、地区予選から台頭したのが同じく左腕の渡辺法聖。テークバックの小さな独特の投球フォームから130キロ中盤の直球に変化球を織り交ぜ、落ち着いて投げられる。内野手兼任の熊谷航は130キロ後半の直球で押せる本格派だ。
春の公式戦で鉄腕ぶりを発揮したのが八鍬晃貴(東陵)だ。冬場の走り込みで下半身が安定し、昨秋から制球力が格段にアップ。失点が減ったことで、“勝てる”投手へと成長している。
相沢英希(聖和学園)の低めにズバッと決まる快速球は一見の価値あり。しなやかなフォームから伸びのあるボールを放る鹿野魁平(古川工)は春先に負傷。夏は本領発揮といきたい。佐藤隼輔(仙台)、岩佐公太(柴田)といった2年生の主戦投手にも注目だ。
仙台商の2年生左腕・乙戸詠央は変化球が冴える。地区予選では東北に勝利し、仙台育英戦は延長に持ち込んだ。昨夏、第2シードだった柴田を初戦で破ったのが鈴木優作(古川)。130キロ後半の直球にカーブを交えて三振を奪える。大きなカーブを持ち味に昨秋、チームを8強に導いた川村貴将(宮城農)、強気の投球ができる佐々木琉(築館)、多彩な変化球で打ち取る庄司啓人(泉館山)、佐々木博一(仙台三)ら楽しみな左腕が多い。