創立80周年となる節目の年で、優勝が至上命題のはずの阪神タイガースがどうも波に乗り切れない。
5月24日現在、21勝25敗で首位のDeNAとは7ゲーム差の5位。残り97試合。もちろん諦める時期ではないが、そうこうしているうちに気付けば秋風が……ということはよくある話。早めに巻き返しておくに越したことはない。
チームデータを見てみると、この順位も納得の数字が並ぶ。
打率.226、本塁打20、得点137、盗塁18
この主要な攻撃部門の数字が、すべてリーグ最下位なのである。中でも、今季のテーマの1つに「機動力の向上」を掲げていたはずなのに18盗塁(他の5チームはすべて26盗塁以上)というのは、まさに「笛吹けど踊らず」な状態だ。盗塁失敗が他と比較して特に多いわけでもなく、アウトだとしても、走塁が印象に残ったことも少なく、チーム全体に方向性が浸透していない、といってもいい。
そして投手部門でも、防御率3.87はリーグ最下位。トップは巨人の2.57、5番目のDeNAでも3.18だから、かなり差が付いている。
投打ともにこんな状況で、むしろ5位にいるのが不思議なほどだ。
ここから、浮上のきっかけを掴むために、テコ入れする部分はいくつもあるだろうが、やはりチームリーダーの奮起、活躍によって、チームの雰囲気がガラリと変わるのが一番の力になるはずだ。そこで、なにより待たれるのが鳥谷敬の復調だろう。