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投高打低の巨人が混戦のセ・リーグを抜け出すには?

 史上空前の大混戦となっているセ・リーグ。7月10日の阪神戦に勝利し、連勝を4に伸ばした巨人がややリードしつつあるが、それでもまだ貯金は2。「これで上位は安泰だ」などと考えるG党はおそらくいないはずだ。

 かつての巨人は、豊富な資金力とブランドイメージをバックに他チームの主力打者をかき集め、超重量打線で他を圧倒するというチームカラーだった時代もあった。しかし、それも今や昔。

 チーム成績(7月10日終了時点、以下同じ)を見てみると、打率、出塁率ともにリーグ最下位、本塁打数は4位タイで、防御率がリーグ唯一の2点台でトップ。つまり、貧打を投手力でカバーしなんとか凌いでいるのが今季の戦いぶりなのである。

 当然ながら、個人の打撃成績も軒並み低調で、打率ランキングではチームトップの亀井善行が.272で15位、坂本勇人が.258で20位。本塁打ランキングも、長野久義が7本で10位タイ、阿部慎之助が6本で12位タイ。3割打者も、2ケタ本塁打を記録している選手もいないのは、セ・リーグでは巨人だけ。

 今季の攻撃陣について、原辰徳監督は「水鉄砲打線」と命名したが、水鉄砲の中でも、ずいぶんと水圧の弱いタイプばかりが揃ってしまったようだ。

 前述したように、投手陣は、先発では菅野智之が7勝6敗で防御率1.76と安定し、ルーキーの高木勇人も6勝5敗で防御率2.57と奮闘。リリーフ陣もマシソンがリーグ2位の18ホールド、澤村拓一がリーグ3位タイの20セーブと頑張っている。

 だからこそ、打線が上向けば、混戦を抜け出せる可能性はある。そのためには核となる4番打者の固定が急務だ。7月10日までの81試合で、巨人の4番を誰が務めたか、その回数を集計すると、坂本が48試合、阿部が19試合、大田泰示が10試合、亀井が3試合、中井大介が1試合。

 いちばん多く務めているのは坂本だが、今季の調子はともかく、キャラ的には4番よりは3番だろう。存在感なら阿部だが、こちらは体調が万全ではない。ここ最近では亀井が座っているが、こちらも押し出された感は否めない。


 7月末の移籍期限までに、報道で名前が挙がったりもしている新外国人を招へいするのか、それとも国内での調達か、あるいはチーム内からの抜擢か。いずれにしても、ここを固められるかどうかが、原巨人のリーグ優勝へ向けてのカギとなってきそうだ。

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