黒田に嶋…隠れた「人材の宝庫」東都2部! 来春から社会人での活躍が期待される3選手に注目!
平日開催とはいえ、「学生野球の聖地」神宮球場を使用し、大学球界屈指の実力を誇る東都大学リーグ。その2部リーグは長い間、「ゴルフ場」と揶揄された神宮第二球場を舞台に行われてきたが、2014年から使用不可になってしまった。そのため、全国から集まった精鋭たちによる聖地をかけた死闘の舞台は、各大学のグラウンドに移され、より日の目を浴びることが少なくなった感は否めない。
だがこれまで、この東都大学2部リーグは黒田博樹(ヤンキース)、阿部慎之助(巨人)、嶋基宏(楽天)、長谷川勇也(ソフトバンク)ら多くの名選手を輩出してきた。
(詳細は『野球太郎No.006 2013ドラフト直前大特集号』「虎の穴・東都2部から這い上がれ!〜吉田裕太(立正大)、岩崎優(国士館大)、陽川尚将(東京農業大)」参照)
そして今年も、日本大のエースとして活躍した戸根千明(日本大→巨人2位)がプロ入り。また、多くの選手たちが、次なる目標を東京ドーム(都市対抗野球大会)に変え、強豪社会人に進む。
今回はその中から、特に社会人野球での活躍が期待される東都大学2部リーグを代表する好選手たちを紹介する。
本間諒(関東一高→立正大→セガサミー入社予定)
外野手/176cm90kg/右投左打
関東一高時代には主将として、山下幸輝(國學院大→DeNA5位)らとともに3年夏に甲子園8強進出。立正大入学後は、1年時から試合に出場し、4年春には打率.386(リーグ2位)、11打点(リーグトップ)。2部リーグの最高殊勲選手に選出される大活躍で、チームを2部優勝に導いた。
入替戦には敗れ、在籍8季のうち、1度も1部リーグでプレーする機会はなかった。しかし、下半身の強さを感じさせる、どっしりとしたフォームから安打を量産してきた実力は確かである。
来春からは、今秋の社会人野球日本選手権準優勝・セガサミーに進むことが決まっている。
根岸昂平(日大三高→日本大→日本通運入社予定)
外野手/174cm68kg/右投左打
日大三高時代には山?福也(明治大→オリックス1位)とともに、3年春にセンバツ準優勝。根岸は日大三中からの内部進学組で普通コース在籍だったものの、人一倍の練習でスポーツコース以外では唯一のメンバー入りを果たした。2回戦の向陽高戦でタイムリーヒットを放つなど活躍した。
日本大でも3年春に打率.341(リーグ3位)を残すなど、豊富な練習量に裏打ちされた巧打を遺憾なく発揮した。4年秋こそ、故障で不本意な成績に終わったが、仲村恒一監督は「努力することの大切さをよく知っている選手」とその姿勢を高く評価していた。
来春からは、木南了(帝京大)、大谷昇吾(上武大)、手銭竜汰(九州共立大)ら各リーグの精鋭たちとともに日本通運に進むことが決まっている。
黒川将貴(桐生第一高→東洋大→NTT東日本入社予定)
捕手/181cm74kg/右投左打
桐生第一高時代には、ルシアノ・フェルナンド(白鴎大→楽天4位指名)らとともにプレーし、東洋大に進学。
捕手を含めた内外野どこでもこなせるユーティリティープレーヤーで、走攻守それぞれで高い素質を持つ。東洋大では三塁手や外野手などを経験した後、捕手登録となった。下級生時から試合で起用され、打撃やインサイドワークでは大きく苦しんだが、4年時に主将を務めた経験は、今後に大きく繋がるはずだ。
今秋のドラフトでも土肥寛昌(Honda鈴鹿→ヤクルト6位指名)、小田裕也(日本生命→オリックス9位指名)が社会人野球を経てプロ入りしたように、「卒業後にさらに伸びる」選手が多い東洋大。黒川にも更なる活躍が、NTT東日本で期待されている。
■プロフィール
写真・文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の『熱闘通信(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)』随時更新中。twitterアカウントは@ you_the_ballad (https://twitter.com/you_the_ballad)