《名監督列伝》中井哲之(広陵)は「家族」、大井道夫(日本文理)は「打つ!」。大命題を掲げる男たち
高校野球監督とは甲子園に人生を捧げ、数奇な運命を生きる男たち。己のチームを作り上げ、地元のライバル校としのぎを削り、聖地を目指して戦い続ける。
週刊野球太郎の7月連載では『高校野球 ザ・名監督列伝』と題して、4週に渡り16人の監督を紹介。いずれも今夏の甲子園でもひと暴れしてくれそうな名将ばかりなので、地方大会から戦いぶりをチェックしてほしい。
第6回は広陵(広島県)の中井哲之監督と日本文理(新潟県)の大井道夫監督を紹介する。
(以下、文中一部敬称略)
■中井哲之(広陵)
1990年春、3年間のコーチを経て、若干27歳で名門・広陵の監督に就任した中井哲之。
就任直後は理不尽にも思える野球部内の厳しい上下関係を緩和することからスタートしたという。
理不尽なことが大嫌いで「人として正しくあれ」という信念で選手に接する中井は、「監督を男にしたい!」と選手に思われる監督の代表格として知られている。
これまでの実績を見ると、2度のセンバツ優勝に1度の夏の甲子園準優勝とそうそうたるもの。また、二岡智宏(元巨人ほか)、西村健太朗(巨人)、上本博紀(阪神)、野村祐輔(広島)、小林誠司(巨人)ら、毎年のようにたくさんの教え子をプロへ羽ばたかせている。