開幕1軍に向け「元旦」からフルスロットル! 今こそ応援したい1・2軍ボーダーラインにいる男たち〜パ・リーグ編
プロ野球の暦の上での「元旦」は2月1日。今年もその日に、プロ野球12球団が一斉にキャンプインした。
『週刊野球太郎』が発信する12球団キャンプ特集の第1弾は、キャンプで練習に明け暮れる選手たちを応援する企画「がんばる選手を応援する週刊キャンプレポート」だ。
先日、各球団ともキャンプの1・2軍メンバーが発表された。振り分けられた選手のなかには、1軍に生き残るために、キャンプ初日から全力で首脳陣にアピールする必要がある選手がいる。今回は、そんな選手たちをランキング形式で紹介しよう。
大嶋 匠
――北海道日本ハムファイターズ
今季、プロ入り初の1軍キャンプスタートを飾ったのが、「ソフトボーイ」こと早大ソフトボール部出身の大嶋匠だ。
▲早稲田大ソフトボール部時代
プロ4年目にして、ようやく1軍首脳陣に大いにアピールするチャンスを掴んだ大嶋。正捕手の大野奨太、2番手捕手の市川友也がケガなどで出遅れており、大嶋が抜擢された。
自主トレでは、野球部とソフトボール部の違いはあるが、同じ早稲田大の先輩・斎藤佑樹の投球練習を受けた大嶋。キャンプ打ち上げ日まで、2人とも1軍に残っているか、注目したい。
誠(相内 誠)
――埼玉西武ライオンズ
こちらもプロ初の1軍キャンプスタートを経験した誠。それもそのはず、入団1年目は、道路交通法違反(無免許運転など)で入団保留。2年目は未成年での飲酒、喫煙が発覚して処分中だった。
10代の頃はグラウンド外での出来事で注目を集めてしまったプロ3年目の右腕。昨季は1軍のマウンドも経験して、オフはオーストラリアのウインターリーグに参加。ポテンシャルの高さは、首脳陣も認めている。本業の野球で注目を集めるためには、死ぬもの狂いでキャンプを過ごしてほしい。
斐紹(山下 斐紹)
――福岡ソフトバンクホークス
2010年ドラフト1位入団から、早くも5回目のキャンプを迎える若手捕手。
入団2年目のキャンプは、寝坊による遅刻でB組行き。昨季キャンプはB組スタートも、5月上旬に1軍昇格。14日のロッテ戦では、試合途中からマスクを被った。地元・千葉のQVCマリンフィールドで救援投手陣をリードするも、試合はサヨナラ負け。その後、再び1軍に昇格することはなかった。
今季から登録名を“斐紹”に変えて心機一転。勝負の年だということは本人が一番よく知っているはずだ。
西野 真弘
――オリックス・バファローズ
アメリカから戻ってきた中島裕之を3年12億、日本ハムからFAで小谷野栄一を3年3億、DeNAからトニ・ブランコを2年5億……と、総額30億円以上の補強を断行したとされる今季のオリックス。もちろん、この移籍組3人も、キャンプは1軍スタートだ。
そしてこの3人と、1軍生き残りを懸けて内野のポジションを争うルーキーがいる。JR東日本からドラフト7位で入団した西野真弘だ。
身長167センチの西野は、チームで最も背の低い選手。中島、小谷野、ブランコらの大物選手たちを相手に、どこまで1軍に残ることができるか。小柄なルーキーに注目してほしい。
田中 英祐
――千葉ロッテマリーンズ
話題のルーキーが、1軍キャンプに抜擢された。京都大初のプロ選手・田中英祐は、新人合同自主トレではトップレベルの体力を実証。勉強だけではないところを見せつけた。
しかし、キャンプスタート時は1軍でも、田中には更なる試練が待っている。大学の卒業論文だ。キャンプ中もパソコンを持ち込み、卒論の仕上げに取りかかるという。もちろん、練習時間や睡眠時間を確保するために、計画的に進める必要があるだろう。「京大卒業」と「開幕1軍」を懸けて、田中の試練は続く。
▲京都大時代の投球
福田 将儀
――東北楽天ゴールデンイーグルス
楽天のキャンプといえば、キャンプ地の久米島が有名だ。沖縄本島から西に約100キロ離れた久米島は、とにかく“何もない”と聞く。コンビニは2軒しかなく、ゴルフ場や娯楽施設も少ない。
そんな環境で過ごすキャンプは、必然的に野球に没頭することになる。特にルーキー・福田将儀にとっては、右も左も分からないなか、文字通りのサバイバルが待っている。中央大からドラフト3位で入団。50メートル走6秒0という俊足が武器の外野手は、今季から外野手登録となった松井稼頭央らと、1軍生き残りを懸けてキャンプを過ごす。
ここで紹介した選手たちは、開幕1軍の25人に入るために、2月1日のキャンプ初日からアクセル全開でアピールしている。まだまだスター選手ではないため、メディアで報道されることは少ないが、こうしてがんばっている選手たちの動向を見守っていきたい。