File.019ゴロングティー
体を使い切って遠くへ飛ばす
■練習法/「ゴロングティー」は、美笹中・酒井顕正監督が命名したメニュー名だ。2009年に部員13人で秋の埼玉大会を制覇。目的を明確にした練習によって、個々の潜在能力を引き出す指導力に定評がある。
ゴロンと転ぶ意味と、ロングティーをつなぎあわせた。つまりは、ロングティーを打ち終わったあとに背中からホームベースにゴロンと転ぶ。以前、桐蔭学園中の大川監督も取り入れていたメニューだ。
ゴロングティーには、準備体操がある。バッターが体を「く」の字に曲げた姿勢を作ったあと、パートナーがバットを持ち、左右に大きく揺らす。骨盤を使って体を動かす感覚を身につけるための体操である。
■狙い/「全身を使い切って、打球を飛ばす。体を最後までねじりきらなければ、ゴロンと転ぶことはできません。これを続けていけば、飛距離が出ますよ」
酒井監督が指導する美笹中は毎年のように、スタンドに放り込める長距離打者が育つ。ゴロングティーに力を入れているのが、ひとつの要因といえそうだ。
実際にやってみると実感できると思うが、自然に転ぶことがなかなかできない。裏を返せば、まだまだ全身を使って打っていないということだ!
■注意点/とにかく遠くに飛ばすことを第一に考える。そのためには、腕だけでバットを振ろうとしてもボールは飛ばない。飛ばすには下半身の力が必要不可欠となる。そのことをゴロングティーで実感してみよう。動画を見てもらうとわかるが、モデルの選手くんは見事な転び方!
▲ゴロングティーにのぞむ前の準備体操。パートナーがバットを持ち、左右に大きく動かすことで、バッターは骨盤を使って体を使うことを実感する
▲準備体操で体感した骨盤の動きをイメージしながら、体を左右に動かしてリズムを取る。投げ手はこの動きにあわせてトスを入れる
▲全身の力をすべて使いきるイメージでスイングできれば、ホームベース上にゴロンと倒れる
どんな練習か動画でチェック!