【ドラフト特集】《東京ヤクルトスワローズ》ドラフト指名結果答え合わせ
【この記事のよみどころ】
・「勘違い」はあったものの、投手陣の整備に成功
・数年後の「ポスト畠山」に期待
・厚くして欲しかった捕手層の指名は無し
10月22日に行われた、2015年プロ野球ドラフト会議。
各球団の指名結果を振り返りながら、『野球太郎No.016 2015ドラフト直前大特集号』で発表した、「補強ポイント&オススメ選手」に見合う選手を指名できたかどうか、12球団のドラフト結果を総評してみたい。
今回はヤクルトのドラフト答え合わせをしよう。
1.日本人の層は薄いブルペンの補強
バーネット、オンドルセク、ロマンの外国人トリオが活躍した今季のヤクルト。やはり日本人の即戦力投手の補充は必須で、特に右投手は秋吉亮1人に頼るようでは、不安が残る。
そこでハズレ1位ながら交渉権を獲得した原樹理には大きな期待がかかる。先発型ではあるものの、計算できる右腕として、先発でも中継ぎでも、1軍でその姿を見る日は近いだろう。
2.中堅手&左打者の穴を一気に解決
リーグ優勝した今季の野手陣では、ほぼレギュラーは固定しているものの、中堅手だけは上田剛史か比屋根渉か、不確定であった。そういう意味でも、1位指名の?山俊(明治大)を外したのは痛恨の極み。
しかし、5位で山崎晃大朗(日本大)を指名できた。50メートル5秒台の俊足を生かした広い守備範囲は、原と同様にこちらも早く1軍に抜擢される可能性もある。
3.ポスト畠山の三塁手を獲得したい
現在は4番も務める畠山和洋が不動の存在も、年齢を考慮すると将来を見据えて右の長距離砲は補強しておきたい。
2位で廣岡大志(智辯学園高)を指名したことは評価したい。昨季、ドラ1で巨人に入団した岡本和真の後輩で、将来的には、スケールの大きな右の長距離砲として期待がかかる。
4.絶対数も少ない左打者+魅力的な走力
森岡良介や今浪隆博は30歳を越え、左打ちの内野手が手薄なヤクルト。ここは右打ちではあるが、6位指名の渡邊大樹(専大松戸高)でカバーする算段か。走塁能力も高く、スケールの大きな内野手に成長する可能性も秘めている。
5.捕手層を厚くし中村をバックアップ
投手3人、捕手0人、内野手2人、外野手1人と、残念ながら今ドラフトでは捕手の指名はなかったヤクルト。レギュラーを獲得した中村悠平のバックアップ要員として、社会人捕手をひとりでも指名して欲しかったところだ。
《総評》C
真中満監督の「勘違い」に話題が集まりがちな、ヤクルトの今年のドラフト。本誌『野球太郎No.016』でもオススメした?山俊を外したのは、やはり大きな痛手といえる。
しかし、真中監督自身が語っているように「投手陣の補強」については、ある程度の及第点を与えたい。3位と4位指名の高橋奎二(龍谷大平安高)と日隈ジュリアス(高知中央高)は、ともに左腕で面白い存在になりそう。
それとひとつ追記したい。今ドラフトで指名された選手のみなさん、是非ともケガには気をつけて、プロ野球の世界で活躍してください。
文=野球太郎編集部