【2015夏の高校野球】《福井観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド
7月11日〜23日(敦賀市総合運動公園野球場ほか)
センバツV平沼を筆頭に好右腕が続々!
隠れた逸材・神南の啓新が初優勝目指す
☆★☆ 投手編 ☆★☆
●投の中心はセンバツ優勝の立役者
センバツ大会で5試合を完投し優勝に貢献した平沼翔太(敦賀気比)が抜きん出ている。最速144キロは昨年から変わらないが、チェンジアップを決め球に、スライダー、カットボールなど多彩な変化球を織り交ぜる。オン・オフの切り替えも素晴らしく、卓越した投球術は、もはや高校生では攻略が困難で、全国屈指の好投手にまで登りつめた。夏に向けてさらに球速を伸ばせば、今秋のドラフトでは上位指名も見えてくる。
北田悠馬(啓新)も本格派として注目される投手だ。1年生時すでに140キロのストレートを投げ、現在は144キロに達している。変化球はカーブ、2種類のスライダーに、ツーシーム、チェジアップと多彩で、ピンチにも動じない。昨秋に痛めた腰も完治し、夏は全力投球が見られそうだ。
その他にも好投手は揃う。宇野貴也(福井工大福井)は、183センチの大型右腕で、140キロの重いストレートとキレのあるスライダーが持ち味。腰にキレが出てくれば球速は増してくるだろう。下山哲人(大野)はストレートの走りがよく、キレるスライダーで三振が取れる。渡邊大修(若狭)は制球力があり、昨秋の県大会では敦賀気比を1失点に抑えた。2年生の山崎颯一郎(敦賀気比)はすでにプロがマークする逸材。188センチからの角度あるストレートは140キロ台に達している。
▲山崎颯一郎(敦賀気比)
☆★☆ 打者編 ☆★☆
●チームを救う守備の神様・神南
平沼には打者として高評価するスカウトも少なくない。低い弾道で外野フェンスを直撃する強烈な打球は強打の印象を植え付けたが、追い込まれてからは左へ流し打つ巧みさを併せ持つ。将来は50メートル5秒9の走力と強肩を生かしての野手転向も面白い。
センバツの準決勝で2打席連続満塁弾を記録したミラクルボーイ・松本哲幣(敦賀気比)を忘れてはならない。大会終了後の公式戦でも本塁打を放ち、本物であることを実証。特長は懐が深くインコースに強いところ。桜の開花とともにセンバツで咲かせた大輪の花は、今なお大きくなろうとしている。
内野にも好選手が揃う。篠原涼(敦賀気比)は核弾頭を担うが、ツボにはまれば本塁打を打つ魅力がある。安定感のある三塁守備も持ち味の一つだ。中井基継(敦賀気比)は二塁守備の動きが軽快でチームのムードメーカー的存在だ。林中勇輝(敦賀気比)はセンバツでサヨナラ打に決勝打と、勝負強さが光る。山根弘太郎(啓新)は三拍子揃う遊撃手。チーム一のミート力に長打も打てる恐怖の2番打者だ。出口柊希(北陸)は長打こそ少ないが広角に打てる。外野手に目を向けると、福本勁信(北陸)が俊足・好打の選手。昨秋の県大会では平沼から2安打を打った。田中心(坂井)は1年生のときから4番を担う強打者だ。
最後に「隠れた逸材」神南亮成(啓新)を紹介したい。中堅手としての守備力は超高校級。幾度もチームを救うスーパープレーを見せ、まさに神の子。体が一回り大きくなりパワーもついてきた。
▲神南亮成(啓新)
☆★☆ 大会展望 ☆★☆
●敦賀気比はじめ3強は実力拮抗
センバツ優勝の敦賀気比が3季連続甲子園出場を目指す。平沼に加え山崎の成長で二本柱を形成し、投手陣は磐石。福井工大福井と啓新が追う展開になりそうだ。福井工大福井は宇野と青山力が安定している。啓新は北田が復調し荒木開成と江南希生が控える。ともに打線が活発で敦賀気比とは実力が拮抗している。3強を追う第2グループでは、北陸は潜在能力が高い選手が揃うだけに勢いに乗ると怖い。福井商は試合巧者ぶりを発揮するか。羽水は重量打線で得点力が高い。
地区勢力ピラミッド