2年前、ぎこちなくシートノックを受けていた褐色の肌のやせた少年は、すっかり立派な体躯を備えた野球選手に変わっていた。 「ウエート(トレーニング)はしてないんです。ナチュラルパワーですね」 すっかり太くなった腕に驚く私に、流ちょうな日本語で話す笑顔の少年はサンホ・ラシーナ、17歳。西アフリカ・ブルキナファソから約13,000キロの距離を飛び超えてやってきた異色の「野球選手」だ。