クローザー(第15回)
最後には
決まってるだろ
おでましだ
その名前がコールされると、期待と悲哀が混じりあった歓声が球場を包みます。
チームが誇る“クローザー”。
幾多の山場を越えたゲームを締めくくるため、その男は静かにマウンドへ歩を進めます。
大方の場合、セーブのつく条件で投入されるので、自軍に与えられたリードは僅かなもの。
ちょっとしたことでコロッと逆転されてしまう可能性もある状況の中、どれだけ冷静さを保てるかが勝負の分かれ目。
成功と失敗を繰り返し、たどりついたチームの白星を託される高みのステージ……。
ひとりだけが手にできる特別な称号は、周囲からの信頼の証です。
文・イラスト=清水はるか(しみず・はるか)/元・高校球児の女性イラストレーター。都立高の硬式野球部出身。日本のプロ野球(主にパシフィックリーグ)が好きで、シーズン中は関東の球場に頻繁に出没。野球の絵本にチャレンジ中。
ブログ(http://mizuhalu.jugem.jp/)もやってます。