沖縄の有望選手、大会展望
6月21日〜7月20日(コザしんきんスタジアムほか)
琉球のライアン・山城が一段とキレ増す
今年も将来性の豊かな好選手が揃う沖縄
投手編
▲伊波友和(美里工)
強豪校に好投手が集中
センバツでは沖縄から2校が出場して話題を集めた。その両校を中心とした県内強豪校に好投手が集中する。中でもセンバツ8強進出の原動力となった沖縄尚学のエース・山城大智は、実績・実力ともに沖縄ナンバーワンの好投手で、秋に続き春季九州大会も制した。左ヒザを高々と上げるフォームから繰り出されるストレートは一段と伸びを増し、変化球のキレ、制球力も抜群だ。同じく沖縄尚学の右腕・久保柊人は、140キロ台中盤のストレートを持つが、力投型ではなく丁寧な投球を身上とする。また、野手としても非凡だ。
センバツ以降精彩を欠く美里工だが、その実力は疑いようがなく、特に投手力は際立つ。右腕エースの伊波友和は、力強いストレートに加えてスライダー、スプリットの精度も高いが、粘り強く気持ちの強い投球が真骨頂だ。もう一人のエース格、右腕の長嶺飛翔は小柄ながら球持ちのよさと制球力が素晴らしく、安定感に富む。同校には他にも県屈指の左腕・島袋倫に185センチ右腕の大仲潤と、将来性ある投手が揃う。
春を制した赤嶺祥吾(糸満)は右のスリークオーターから剛柔織り交ぜた投球が光る快腕で、最速145キロのストレートを持つ。秋に活躍した右腕・馬場寿希矢(八重山商工)は、故障からの復活が待たれる。遠投競技で県ナンバーワンの180センチ右腕・崎濱秀太(浦添工)も好素材だ。
2年生では春季県大会で強豪の興南を完封した長身右腕・山城航(読谷)、大型左腕・大城龍生(糸満)らの成長に期待がかかる。
打者編
▲赤嶺謙(沖縄尚学)
好選手そろう沖縄尚学勢
野手も投手同様、強豪校に好選手が集中する。特に沖縄尚学には逸材が集う。その中でも1番を打つ主将の赤嶺謙は運動能力の高さを活かしたプレーが光り、攻守にわたってチームを牽引する。3番打者の西平大樹はチーム屈指の打撃センスを持つ好打者だが、力強さも備わった。主砲の安里健はパワフルな大型スラッガーで、右打席から繰り出す打球の速さは圧巻だ。5番の上原康汰は巨体に似合わぬ器用な打撃を見せ、185センチの長身は投手としても魅力的だ。そして遊撃手・砂川修の軽快な守備は、見る者をうならせる。
糸満のリードオフマン・神谷大雅は、センスあふれる打撃力とナンバーワンの足を持つ。同じく糸満の大城幸泰は小柄ながら主砲を任される強打者で、広角に打ち分ける確実性の高い打撃は注目だ。
宮城諒大(美里工)は天性のロングヒッターで、強肩を生かした外野守備でも魅せてくれる。美里工には他にも質のよい選手が多く、夏に向けて巻き返しを図る。
他にも、名門のクリーンアップを打つ大型外野手の島袋志文(興南)は身体能力が高く将来性に富む。大城璃功(嘉手納)はパワーに満ちた打撃を見せる遊撃手。安田望(久米島)は攻守において素材のよさを感じさせる外野手で、投手としても有望視される。
2年生にも有望な選手は多い。佐久本一輝(興南)は捕手としての評判がよく、打撃も筋がいい。興南には他にも素質ある下級生が多い。糸満の二塁手・岡田樹と遊撃手・池間誉人も今後が楽しみだ。
大会展望
本命・沖縄尚学がセンバツに続けるか
沖縄尚学が頭一つ抜け出す。エース山城を中心に質の高い選手が揃い、経験も豊富だ。センバツ8強、そして秋・春の九州大会を制した実力はだてではない。続く第2グループが糸満、美里工、興南、浦添商の4校で、ここまでが夏の甲子園切符をつかむ有力校と言えるだろう。春季沖縄大会優勝の糸満には勢いがあり、センバツ以降精彩を欠く美里工も、夏には仕上げてくるだろう。春に結果を出せなかった興南と浦添商も力は十分だ。他には春準優勝の宜野座や石川も面白い。