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いよいよプロ野球後半戦スタート!12各球団の捕手たちに注目!!

 2015年のプロ野球も折り返し地点を通過。各チームの戦いぶりを見ていると、多くが苦慮しているのが捕手だ。

 シーズン序盤で、巨人の相川亮二、ソフトバンクの細川亨、楽天の嶋基宏、オリックスの伊藤光ら、正捕手として期待されていた実力者たちが相次いで故障や不振で戦線離脱。さらには、期待された阪神の梅野隆太郎や巨人の小林誠司などは、出場機会をもらっても信頼を勝ち取ることはできず、確固たるレギュラーになれていないのが現状。

 そんな中、12球団の捕手の中で唯一全試合出場を果たしているのが西武の炭谷銀仁朗だ。しかも、盗塁阻止率.400は、これもセ・パ合わせてトップの数字だ。


 2013年は2割前半に沈むものの、2012年、2014年も阻止率は4割を超え、レギュラーを獲得した2009年も.333と安定した強肩ぶりを常に発揮してきた。炭谷の盗塁阻止率と西武の投手陣のクイックの速さもあり、あまり盗塁をしてこない、「抑止力」の高さにもつながっている。高い確率で成功できるというタイミングでしか走ってこなくなるのを刺しているので、さらに価値ある数字だといえる。投手陣にとってはこんなにも心強く、投球に集中しやすい環境づくりにも一役買っているともいえる。

 打率は.189と振るわないが、昨年までの9年間で最もよかったのは2009年の.220。首脳陣やファンからは、そう大きな期待はかけられていないかもしれない。高校時代の実績や、高卒1年目の開幕戦スタメンでヒットを打ち、初本塁打は満塁弾だったことは遠い過去になってしまった。

 昨年オフはFA宣言する雰囲気があったが、最終的にはFA権を行使せずに残留を決めた。移籍への心の準備もしていたが、渡辺久信シニアディレクターの「また一緒に優勝しよう」という言葉に心を動かされたという。

 チームは貯金7で3位。2位とは4ゲーム差、首位までは7ゲーム差。たしかに、上位2チームは手強いが、まだまだ上を目指せる試合数が残っており、期待は薄いかもしれない炭谷の打撃が爆発すれば、競った展開になるかもしれない。

 その炭谷に次ぐ出場試合数を誇るのが、ヤクルトの中村悠平だ。高卒7年目の中村が1軍に定着したのは、91試合に出場した2012年。それ以降、コンスタントに90試合前後は出場しており、昨年は規定打席には届かなかったもの打率.298でオールスターゲームにも選出された。

 相川が巨人に移籍した今季はここまで77試合に出場し、存在感がさらに増している。ただ、昨年の盗塁阻止率は.262で、許した盗塁48はリーグワーストだった。今季はここまで.333と改善の兆しは見せているだけに、このあたりのレベルアップが混戦のセ・リーグを抜け出すカギになるかもしれない。

 野村克也氏(元南海ほか)の時代まで遡らなくとも、黄金時代を築いたチームは、必ず名捕手がどっしりとホームベースを守っていた。そんな歴史に残るような女房役の出現を期待したい。

(文=藤山 剣)

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