7月11日〜25日(坊っちゃんスタジアムほか)
魔球披露に期待、松山東・亀岡の夏到来
壁を破りたい実力派3年生らに望む奮起
●フロントドアは「ある・かも」
センバツでのクレバーな投球が印象に残る亀岡優樹(松山東)。その配球は右打者へのツーシーム、左打者へのスライダー、そして「日によって横回転かタテ回転かが違う」スローカーブだった。ということは右打者と左打者の攻め方を真逆にすれば、黒田博樹(広島)ばりの「フロントドア」が完成するはず。もちろん難しい技術だが、今治西との四国大会出場決定戦で最速140キロを西条ひうち球場のスピードガン掲示に出したことで上機嫌の亀岡に聞いてみた。
「フロントドアは……『ある・かも』にしといてください」
こう言ってニヤリと笑った亀岡。どうやら最後の夏は期待してよさそうである。
●「怪物」マウンドに立つ
その四国大会出場決定戦で、もう1つ驚きの出来事があった。センバツでは今治西の「4番・中堅手」として勝負強い打撃と走塁を披露した藤原睦来が、初の公式戦マウンドに立ったのだ。実をいうと、藤原睦は今治西入学時、投手だった。1年夏前に右ヒジ・右肩を痛め投手起用を封印されていたが、「夏に投手起用を考えている」大野康哉監督によって、その封印を解かれた格好だ。
その後の四国大会では、最速140キロを掲示した初戦ほどの切れ味はなかったものの、徐々に試合慣れが見え始めた。センバツ後サイドに腕を下げた杉内洸貴、同じくサイドハンドで臨む秋川優史、さらに実弟・藤原拓実や金本遼といった1年生たちと協力しながら、怪物は新たな引き出しを作っていくことになる。
●「ケガ・不調」が並ぶ現状
早柏佑至(小松)は腰痛が明けたばかり。日野凌太(松山聖陵)は昨秋ほどのキレがない。左腕・高橋慶臣(西条)は躍動感を欠き、中村祐太(新居浜南)はヘルニアからの回復途上にある。今春の時点で評価に値する3年生投手は、ストレートこそ130キロ台前半ながら腕の振りがいい清水庸介などの宇和島東勢と、土居鈴弥(野村)くらいだった。
シュート系ツーシームが切れる田中蓮(新田)などの2年生に話題が移る前に、彼らにはいっそうの奮起を臨みたい。