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【2015夏の高校野球】《愛媛観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド

7月11日〜25日(坊っちゃんスタジアムほか)

魔球披露に期待、松山東・亀岡の夏到来
壁を破りたい実力派3年生らに望む奮起

☆★☆ 投手編 ☆★☆

●フロントドアは「ある・かも」


 センバツでのクレバーな投球が印象に残る亀岡優樹(松山東)。その配球は右打者へのツーシーム、左打者へのスライダー、そして「日によって横回転かタテ回転かが違う」スローカーブだった。ということは右打者と左打者の攻め方を真逆にすれば、黒田博樹(広島)ばりの「フロントドア」が完成するはず。もちろん難しい技術だが、今治西との四国大会出場決定戦で最速140キロを西条ひうち球場のスピードガン掲示に出したことで上機嫌の亀岡に聞いてみた。

「フロントドアは……『ある・かも』にしといてください」

 こう言ってニヤリと笑った亀岡。どうやら最後の夏は期待してよさそうである。

●「怪物」マウンドに立つ

 その四国大会出場決定戦で、もう1つ驚きの出来事があった。センバツでは今治西の「4番・中堅手」として勝負強い打撃と走塁を披露した藤原睦来が、初の公式戦マウンドに立ったのだ。実をいうと、藤原睦は今治西入学時、投手だった。1年夏前に右ヒジ・右肩を痛め投手起用を封印されていたが、「夏に投手起用を考えている」大野康哉監督によって、その封印を解かれた格好だ。

 その後の四国大会では、最速140キロを掲示した初戦ほどの切れ味はなかったものの、徐々に試合慣れが見え始めた。センバツ後サイドに腕を下げた杉内洸貴、同じくサイドハンドで臨む秋川優史、さらに実弟・藤原拓実や金本遼といった1年生たちと協力しながら、怪物は新たな引き出しを作っていくことになる。

●「ケガ・不調」が並ぶ現状

 早柏佑至(小松)は腰痛が明けたばかり。日野凌太(松山聖陵)は昨秋ほどのキレがない。左腕・高橋慶臣(西条)は躍動感を欠き、中村祐太(新居浜南)はヘルニアからの回復途上にある。今春の時点で評価に値する3年生投手は、ストレートこそ130キロ台前半ながら腕の振りがいい清水庸介などの宇和島東勢と、土居鈴弥(野村)くらいだった。

 シュート系ツーシームが切れる田中蓮(新田)などの2年生に話題が移る前に、彼らにはいっそうの奮起を臨みたい。


▲亀岡優樹(松山東)

☆★☆ 打者編 ☆★☆

●壁を破れ、壁を越えろ!


 堀優斗(西条)、田中力(野村)に共通しているのは「公式戦の壁」。堀はチーム成績が上がらず、田中は今春県大会4強も自らは厳しいマークに苦しんだ。

 その傾向は他校でも顕著で、大上拓真(小松)は昨年の思い切りをリード面で欠き、照屋雄大(松山聖陵)は打席で迷いが見える。176センチ78キロと体格は十分なレベルにある左打ちの三塁手・竹内章雅(大洲)も同様だ。荒川幸亮をはじめ170センチ前後の小柄な選手がスタメンを占めても、大きく見える昨今の松山商とは対照的である。

 ここで壁を破らないでいつ破るのか。いまや四国ナンバーワン捕手の呼び声も高い米田圭佑(松山東)、冬の苦難を乗り越えて頼れる4番となった藤原睦来(今治西)らに続く3年生の雄姿を真に期待している。


▲藤原睦来(今治西)

☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●センバツ組+新田次第で大混戦


 シード4校は今治西、新田、松山東、松山聖陵の順で確定。その中でも、今治西と松山東のセンバツ組に加え春四国大会準優勝の新田のチーム状態は頭一つ抜けている。ここに続くのは昨年甲子園を経験したバッテリーが残る小松か。不気味なのは、今年2月から女子日本代表監督・大倉孝一氏が定期的にトレーニング指導を行い、練習試合で長打連発中の松山商。「開き直ってやれている」という重沢和史監督の意図を選手たちがくみ取れれば、14年間遠ざかる聖地帰還も。

地区勢力ピラミッド

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