9年前の縁が生んだ抜擢。桑原謙太朗(阪神)唯一の完封試合で金本知憲が2安打&出場記録達成
「絶対的な信頼感」
阪神の中継ぎ投手陣のキーマン・桑原謙太朗に対する金本知憲監督の起用法を見ていると、毎試合、そう感じるものがある。
5月24日の巨人戦。桑原の16試合連続無失点が途切れた。この試合では、好投を続けていた能見篤史の後を受け、8回表にマウンドへ。
しかし、亀井善行に17試合ぶりとなるタイムリーを打たれ、坂本勇人へは制球を乱し四球。ピンチがふくらんだが、阿部慎之助を迎えた場面でも金本監督はベンチで微動だにせず、交代の気配さえ見せなかった。
桑原はここまでマテオ、ドリスにつなぐ6回、7回を、時にはイニングまたぎもものともせずピンチを救ってきた。今季挙げた3つの勝ち星は、桑原の登板後に、チームが逆転したことを物語っている。
昨季は1軍での登板が1度もなかった。オフには解雇の危機感さえ抱いていたはずだ。そんな桑原を1軍の中継ぎに抜擢したのは、何を隠そう金本監督自身だった。