東都屈指の韋駄天・山崎晃大朗(日本大)〜優勝&プロ入り目指す最後の秋
【この記事の読みどころ】
・1部復帰した日本大の中心選手・山崎晃大朗は足が魅力の好選手
・打力アップでスカウトも動き出す! ドラフト指名はあるか!?
・1部復帰即優勝と最下位の可能性も……どんな結果になるかは、山崎の活躍に!
★この秋は日大の山崎に注目だ!
今秋、7季ぶりに1部復帰した日本大は、8試合終わって4勝4敗と、1部の強豪校にも互角の戦いを見せている。そのチームの中で、最も強い気持ちで試合に臨んでいるのが山崎晃大朗(4年・青森山田高)だ。2番や3番を打ち、開幕戦から8試合連続出塁を続けている。《※プロ志望届は9月11日に提出》
9月30日の対中央大2回戦では、第2打席でライト前安打を放つと、すかさず二盗を成功させ、その後、先制のホームを踏んだ。
もともと50メートルを5秒台で走る俊足には定評があり、下級生時は代走や外野手の守備固めで多くの出場機会を得ていた。
一方の打撃では、なかなかきっかけを掴めず、2年時は春秋合わせて23打数でわずか3安打(打率.130)と苦しんだ。3年生でレギュラーを掴んだものの、春は打率250、秋は.264とインパクトある結果は残せず。しかし、3年秋には長打5本(二塁打2本、三塁打3本)を記録するなど、成長を感じさせる部分はあり、残すは「確実性の向上」だった。
★1部復帰即優勝の可能性も最下位の可能性も残す……
そこで山崎は、このオフにスイングスピードと出塁率の向上に特化し、練習を積んだ。普段は関西人(和歌山県出身)らしい、明るい性格だと周囲の部員は話す。しかし、グラウンドに入ると、ストイックな姿勢で黙々と課題克服に取り組んだ。
その成果はすぐに表れた。今春のリーグ戦では打率.333、四死球を11個も選び、出塁率.464と高いパフォーマンスを見せ、1部昇格の原動力となった。
山崎は「(今秋は)出塁は毎試合できていますが、マルチ安打が少なく、打率が低いです。1部は失投が少ないので、甘い球を逃さず積極的に打っていき、走塁では常に次の塁を意識していきたいです」と決意を語る。
リーグ戦は終盤となり、優勝も入替戦(最下位)も見える状況の中で、“東都屈指の韋駄天”が、どこまで持ち味を発揮するのか。その力が存分に発揮すれば、優勝やドラフト指名も視界に大きくとらえられていくことだろう。
■プロフィール
山崎 晃大朗(やまざき・こうたろう)/173センチ67キロ。左投左打。1993年8月11日生まれ、和歌山県紀の川市出身。西貴志ドリームズで野球を始め、中学時代は和歌山北ボーイズで大前将吾(國學院大捕手)らと3年夏にジャイアンツカップ準優勝を果たす。高校は大前とともに青森山田高へ。甲子園出場こそならなかったが、高い能力が認められ、東都の名門・日本大に入学した。俊足を生かした走塁と守備に加え、打撃に力強さが加わり、より相手から嫌がられる選手となった。10月22日に悲願のドラフト指名を待つ。
★◎未消化カード続出の東都大学1部リーグ。今週は1日3試合開催へ
今季は例年以上に雨天順延が続いているため、東都大学野球連盟は9月30日に記者会見を開き、日程の変更を決定したと発表した。
今後も雨天順延や、予備日を水曜まで持つ東京六大学リーグの日程次第で予定が変更される可能性はあるが、ひとまず今週は1日3試合ずつ(中央大対駒澤大、亜細亜大対日本大、専修大対國學院大)の試合が組まれることとなった。
※未消化ゲームの代替日、決定方法など詳細は東都大学野球連盟ホームページ(http://www.tohto-bbl.com/gameinfo/schedule.php)でご確認ください。
文=高木遊(たかぎ・ゆう)
1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。大学野球を中心にアマチュア野球、ラグビー、ボクシングなどを取材している。高木遊の『熱闘通信(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)』随時更新中。twitterアカウントは@ you_the_ballad (https://twitter.com/you_the_ballad)