7月11日〜26日(みどりの森県営球場ほか)
投打に充実の佐賀商・龍谷が2強を形成
W角田に162センチ左腕など好腕多し
●まれに見る投手豊作状態か
今年の佐賀県は例年以上に豊富なタレントが全体のレベルを押し上げている感がある。
まず佐賀商は左右のダブル角田。左腕エースの角田一記は春先のケガで九州大会を欠場したが、球威、角度ともに十分で、常に投手有利の状況で相手打者を追い込む投球ができる。181センチ右腕の角田泰基は角度のあるストレート、変化球ともに制球力が素晴らしく、昨夏はエースナンバーを背負った。
龍谷の三枚もなかなかのレベルだ。九州優勝投手となった162センチの小さな左腕・池田智浩は相手や状況に応じて上、横と自在に腕振りの角度を変えてくる。この変幻自在な投球で、九州国際大付や九産大九州といった実力校を手玉に取った。球を長く持てる矢ヶ部航は、ストレートのキレと変化球の制球力で春はエースナンバーを獲得。180センチの長身右腕、牟田匡佑は、制球力に課題を残すも角度と球威が目を引く。
重田準之助(佐賀西)は、最速142キロのストレートでパワープレーを身上とする本格派左腕。故障明けの春に結果を残すことはできなかったが、状態は回復し5月の市長旗優勝に貢献した。
野口竜翔(北陵)は最速143キロの高素材だ。ストレートには伸びがあり、スピードガン表示よりも速く感じる。右上手の杉本涼太(高志館)も負けてはいない。ストレートだけでなく、カーブで緩急を作り、低めのチェンジアップで打たせて取る投球術は見事だ。同じ素材型の速球派なら、溝口拓武(鹿島)も有望だ。
秋優勝右腕の楢嵜塁(鳥栖工)も球速以上の速さを感じるストレートの持ち主。リーチの長さを生かしたしなやかな腕振りでストライク先行型の古賀佑太朗(佐賀北)、松石純弥(鳥栖)、谷口拓海(唐津商)といった長身右腕の進化の度合いも注視していきたい。